ヘッドライトが暗い原因と3つの解決法|マーチ車検整備事例


故障修理車検・点検

マーチ ヘッドライト光度不足・アイドリング不調の修理【車検整備】

車両情報
・車種:マーチ
・型式:DBA-K13
・初度登録:平成22年11月
・走行距離:79,988km

ご依頼内容

車検でお預かりしたマーチですが、検査の際にヘッドライトの光度不足が発覚しました。また、お客様よりPレンジからRレンジやDレンジへシフトチェンジした際に、たまにエンジン回転数が落ち込むという症状もご申告いただいておりました。

点検・診断結果

■ ヘッドライトの状態

ヘッドライトのレンズ表面が経年劣化により著しくくすんでおり、車検基準を満たす光度が得られない状態でした。さらに、レンズ内側にもひび割れが確認され、光の透過率が大幅に低下していました。


▲ 研磨前:レンズ表面が黄ばみ、くすみが著しい状態


▲ 入庫時の光度測定結果:車検基準値を下回っている

⚠️ ヘッドライトの劣化について
ヘッドライトレンズの黄ばみやくすみは、紫外線による樹脂の劣化が主な原因です。放置すると車検に通らないだけでなく、夜間の視認性が著しく低下し、安全運転に支障をきたします。定期的なメンテナンスが重要です。

■ エンジン回転数低下の原因

シフトチェンジ時のエンジン回転数低下について、スロットルボディを点検したところ、内部に煤(すす)が大量に堆積し真っ黒な状態でした。この煤が抵抗となり、エンジンが必要とする空気量の微調整がスムーズに行えず、一時的な回転数の落ち込みを引き起こしていました。


▲ 清掃前:スロットルボディ内部に煤が堆積し真っ黒な状態

🔧 技術解説:スロットルボディの役割
スロットルボディは、エンジンに取り込む空気量を調整する重要な部品です。内部に煤が堆積すると、アイドリングが不安定になったり、加速時のレスポンスが悪化したりします。定期的な清掃により、燃費向上や快適な走行フィーリングを維持できます。

実施した整備内容

【1】ヘッドライト光度回復作業(ライトピカリ)

レンズ全体をASSY交換すると高額になるため、コストを抑えた修理方法をご提案しました。まずレンズ表面をコンパウンドで丁寧に磨き上げ、くすみや細かい傷を除去。その後、Wako’s(ワコーズ)のヘッドライトリペアを使用してコーティングを施工しました。これにより、透明度が大幅に向上し、車検基準を満たす光度を確保することができました。


▲ 研磨・コーティング後:透明度が回復しました!レンズ内側のひび割れが無ければ、より持続効果の長いヘッドライトスチーマーをご提案する所
だったのですが、今回は快適なリペアに留めさせて頂きました。


▲ 施工後の光度測定結果:車検基準値を大幅にクリア!

【2】スロットルボディ清掃・エンジン内部カーボン洗浄

エンジン回転数低下の根本原因であるスロットルボディの煤を、Wako’sのスロットルバルブクリーナーで徹底的に清掃しました。さらに、吸排気バルブや燃焼室内部もPETRA フューエルシステムクリーナーで洗浄。仕上げにWako’sのフューエル1を使用し、燃料噴射口など燃料系統全体をクリーニングしました。作業後はスキャンツールにて学習値をリセットし、最適な状態に調整しています。


▲ 清掃後:スロットルボディ内部がピカピカに。空気の流れがスムーズに

この一連の作業により、エンジン内部の汚れが除去され、スムーズな空気・燃料の流れが回復。シフトチェンジ時の回転数低下も解消されました。

【3】エンジンオイル交換(フラッシング込み)

エンジン内部をしっかりクリーニングするため、PETRA オイルシステムクリーナーによるフラッシングを実施後、高性能オイル「Wako’s EX-CRUISE スペシャル 5W-30」に交換。オイルフィルター、オイルパンドレンガスケットも新品に交換し、仕上げにPETRA Engine Shieldでエンジン保護コーティングを施工しました。

【4】エンジン冷却液(クーラント)交換

エンジンを適切な温度に保つため、Wako’sハイパー・ロングライフ・クーラントへ全量交換しました。

【5】ブレーキ関連整備

前後ブレーキを分解清掃し、ブレーキフルード(DOT4)を新油に交換。リヤセンターハブロックナットも新品に交換し、制動性能を万全にしました。

【6】その他消耗品交換

車検に伴い、以下の部品を交換させていただきました。

  • ファンベルト(摩耗により残量が少なかったため交換)
  • リヤワイパーゴム
  • 発煙筒(使用期限:2023年11月→交換時期)
  • ウインドウォッシャー液補充
  • タイヤ空気圧調整及びローテーション
  • 下廻り各ブッシュ給油

【7】OBD点検・診断

スキャンツールによるDTC(故障診断コード)読み取りを実施したところ、AT/CVTの故障履歴(P062F EEPROM)が検出されました。DTC消去後、再点灯しないことを確認し問題なしと判断しました。

作業完了後の状態

ヘッドライトは見違えるほど明るくなり、車検も問題なく合格。エンジンの調子も大幅に改善され、シフトチェンジ時の回転数低下も解消されました。お客様からも「ヘッドライトが新品みたいに明るくなった!エンジンもスムーズに回るようになって快適です」とご満足いただけました。

費用明細

作業項目 数量 単価 金額
車検整備基本工賃(24ヶ月点検) 1式 ¥27,000 ¥27,000
下廻り洗浄料金 1式 ¥5,000 ¥5,000
OBD点検実施 1式 ¥2,000 ¥2,000
エンジンオイル交換(フラッシング込み) 1式 ¥2,500 ¥2,500
Wako’s EX-CRUISEスペシャル 5W-30 3.0L 部品サービス
オイルパンドレンガスケット 1個 ¥100 ¥100
オイルエレメント 1個 ¥1,200 ¥1,200
PETRA Engine Shield 1本 ¥3,800 ¥3,800
用品特別値引き 1式 -¥500 -¥500
エンジン冷却液(クーラント)交換 4.3L ¥2,000 ¥8,600
エンジン内部カーボン洗浄(学習値リセット含) 1式 ¥2,700 ¥2,700
Wako’sスロットルバルブクリーナー 1本 ¥2,900 ¥2,900
PETRAフューエルシステムクリーナー 1本 ¥6,000 ¥6,000
Wako’sフューエル1 1本 ¥2,160 ¥2,160
Vベルト全数取替 1式
ファンベルト 1本 ¥4,820 ¥4,820
リヤワイパーゴム取替 1式
リヤワイパーラバー 1本 ¥900 ¥900
ウインドウォッシャー液補充 1式 ¥100 ¥100
前後ブレーキ分解及び清掃 1式
パーツクリーナー 1本 ¥1,800 ¥1,800
ブレーキフルード(DOT4) 1本 ¥1,800 ¥1,800
リヤセンターハブロックナット 2個 ¥410 ¥820
タイヤ空気圧調整及びローテーション 1式
ライトピカリ(Wako’sヘッドライトリペア) 1式 ¥3,000 ¥3,000
発煙筒取替 1本 ¥800 ¥800
下廻り各ブッシュ給油 1式
車検・早期ご予約割引(2ヶ月) 1式 -¥1,818 -¥1,818
技術料合計 ¥37,882
部品合計 ¥37,800
整備料合計(税込) ¥83,250
自賠責保険 1式 ¥17,650 ¥17,650
重量税 1式 ¥22,800 ¥22,800
印紙代 1式 ¥2,200 ¥2,200
代行料(税抜き) 1式 ¥8,182 ¥8,182
諸費用合計 ¥50,832
ご請求額合計 ¥134,900

※消費税8,386円を含みます。
※上記は実際の請求金額です。車種・年式・部品の在庫状況により金額が変動する場合がございます。

⚠️ 今後のメンテナンスについて
今回の点検で以下の箇所に経年劣化が確認されました。次回車検時までに交換をご検討ください。
・左右ホイールシリンダー:ブリーダープラグが錆びており、左側の動きが少し渋い状態です。
・左右ロアアームのブッシュ:かなりひび割れが進行しています。次回車検時は左右ロアアームASSY交換が必要です。
・CVT不良の可能性:高速走行時の加速不良、坂道で下がってしまう症状が報告されています(ディーラー指摘)。症状が悪化する場合は早めのご相談をお願いいたします。

秀勇自動車からのアドバイス

ヘッドライトの劣化やエンジンの不調は、放置すると安全性や燃費に悪影響を及ぼします。特にスロットルボディの汚れは、走行距離が増えるほど蓄積していきますので、定期的なメンテナンスをおすすめいたします。秀勇自動車では、お客様のお車の状態を丁寧に診断し、最適な整備方法をご提案させていただきます。お気軽にご相談ください。


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