エンジン不調をコンピュータ診断で特定!原因を見抜く3つのポイント

・車種:スバル フォレスター
・型式:DBA-SJ5
・初度登録:平成28年3月
・走行距離:97,238km
症状・ご相談内容
今回ご紹介するのは、日野市にお住まいのお客様からお預かりしたスバル フォレスター(型式:DBA-SJ5/走行距離97,238km)の事例です。法定12ヶ月点検でのご入庫でしたが、受付の際に「出足がもたつく」「1速から2速に切り替わる時に変速ショックを感じる」というご指摘をいただきました。
エンジン不調やコンピュータ診断が必要なケースでは、体感症状だけでは原因の切り分けが難しいことが多く、今回もスキャンツールによるリアルタイムデータ確認が診断の決め手となりました。日野市・八王子市・多摩市・稲城市エリアで同様の症状にお悩みの方の参考になれば幸いです。
原因・点検結果
まずは走行テストを実施したところ、I(インテリジェンス)モードでDレンジ走行中に症状を確認しました。一方、Sモード(スポーツモード)やマニュアルシフトモードでギヤを切り替えた際には症状が発生しませんでした。当該車両はCVT車ですが、この結果からCVT自体には問題がなく、エンジン側の出力に問題が生じていることが分かりました。
CVT車では、走行モードによって変速制御ロジックが異なります。Iモードのみで症状が出て、S・マニュアルモードで再現しないという特徴から、変速機構そのものではなく、エンジン制御(トルク出力)側に原因があると推測できます。感覚的な訴えを、モード別の走行テストという客観的な手順で裏付けることが、誤診断を防ぐポイントです。
続いてスキャンツールでリアルタイムデータを確認したところ、症状発生時は外気温度・吸気温度の表示が実測値よりも極端に高くなっており、吸入空気量も基準値からずれていることを確認しました。ご入庫は2月の寒い時期でしたが、センサーの表示上は40℃程度を示している状態でした。
エアフロセンサーを取り外して清掃したところ、清掃後は吸気温度19℃、外気温度15℃、吸入空気量が2.2g/secから1.9g/secへと数値が変化しました。清掃によって症状に変化が見られたことから、エアフロセンサーの特性不良と断定しました。
作業工程・技術的なポイント
お客様へ状況をご説明し、ご承認をいただいたうえで以下の作業を進めました。
- エアフローメーターの本体交換
- 走行距離97,238kmでスパークプラグが交換時期に達していたため、スパークプラグ交換をご提案・実施
- スロットルボディ等、吸気系の清掃が長らく実施されていなかったため、あわせて清掃を実施
スロットルボディはWAKO’Sスロットルバルブクリーナーで清掃したうえで、さらにPETRAフューエルシステムクリーナーとWako’sフューエル1を使用して燃料系統の清掃も実施しました。
エアフローメーターやスロットルボディを交換・清掃した後は、エンジンコンピュータに記憶された学習値(アイドル制御補正値など)が実際の状態と合わなくなることがあります。今回はエンジン内部カーボン洗浄とあわせて学習値のリセット・再学習を行うことで、新しいセンサー・清掃後の状態に合わせて制御を最適化しました。
作業を進める中で、イグニッションコイルを取り外した際にエンジンオイルの滲みを発見しました。3番・4番シリンダーのプラグホールにオイルが溜まっており、スパークプラグの先端にもオイルが付着している状態でした。
FB型エンジンに変わって以降、タペットカバーパッキンを交換するにはエンジンを降ろす必要がある構造になっています。そのため、オイル滲みを根本的に修繕するには大掛かりな作業(エンジン脱着)が必要となります。また、以前他店で実施されたオイル交換時には0W-20という低粘度オイルが使用されており、低粘度オイルは滲み・漏れが進みやすい傾向があります。
お客様にご相談のうえ、今回は以下の応急的な対応で様子を見ることとしました。
- エンジンオイルの粘度を0W-20から5W-40へ変更
- 硬化したゴムパッキンの柔軟性を復元し、漏れを低減するタイプの漏れ止め剤(PETRAエンジン・ストップリーク)を注入
作業結果
エアフローメーター交換・吸気系清掃・学習値リセットを行った後に走行テストを実施したところ、「出足がもたつく」「1速から2速への変速ショック」の症状は再現しなくなったことを確認しました。エンジン出力の低下は、寒い時期特有のエアフロセンサー特性不良が原因であったと結論づけられます。
エンジンオイルの滲みについては、今回は粘度変更と漏れ止め剤の注入による経過観察としました。あわせて実施した12ヶ月点検では、ブレーキの分解清掃、下廻り各部の給油、リヤポジションランプのバルブ交換、キーレスバッテリー交換、エバポレーター洗浄、エアコンフィルター交換なども実施し、車両全体のコンディションを整えています。
費用明細
| 作業内容・部品名称 | 数量 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 12ヶ月定期点検 | 1 | ¥14,000 | ¥14,000 |
| OBD点検実施(スキャンツールによるDTC読み取り) | 0.2 | ¥10,000 | ¥2,000 |
| 故障診断に伴う問診作業 | 0.4 | ¥9,000 | ¥3,600 |
| スキャンツールにて各データ確認 | 0.2 | ¥9,000 | ¥1,800 |
| エアフロー・メーター取替工賃 | 0.2 | ¥9,000 | ¥1,800 |
| エアフローメーター 22680AA380 | 1 | ¥15,400 | ¥15,400 |
| エンジン内部カーボン洗浄・学習値リセット及び再学習施工 | 0.3 | ¥9,000 | ¥2,700 |
| WAKO’S スロットルバルブクリーナー | 1 | ¥2,900 | ¥2,900 |
| PETRA フューエルシステムクリーナー | 1 | ¥6,000 | ¥6,000 |
| Wako’s フューエル1 | 1 | ¥2,160 | ¥2,160 |
| スパーク・プラグ取替工賃 | 1.4 | ¥9,000 | ¥12,600 |
| スパークプラグ イリジウムタフ DF7H-11B | 4 | ¥2,850 | ¥11,400 |
| エンジンオイル取替(オイルパン・ドレン・ガスケット) | 1 | ¥100 | ¥100 |
| Wako’s EX-CRUISE スペシャル 5W-40 | 4.6 | サービス | ¥0 |
| PETRA エンジン・ストップリーク(漏れ止め剤) | 1 | ¥3,200 | ¥3,200 |
| 前後ブレーキ分解及び清掃工賃 | 1 | – | 工賃込み |
| パーツクリーナー | 1 | ¥1,800 | ¥1,800 |
| ウインドーウォッシャー液補充 | 3 | ¥100 | ¥300 |
| ウォッシャーパイプ固定クリップ 59122FA010 | 1 | ¥80 | ¥80 |
| 左右リヤポジションランプ・バルブ交換工賃 | 0.2 | ¥9,000 | ¥1,800 |
| ウェッジ球 12V5W | 2 | ¥150 | ¥300 |
| キーレスエントリー・バッテリー取替工賃 | 1 | – | 工賃込み |
| キーレス用バッテリー CR2032 | 1 | ¥500 | ¥500 |
| エバポレーター洗浄作業工賃 | 0.5 | ¥9,000 | ¥4,500 |
| Wako’s エバポクリーナー | 1 | ¥5,500 | ¥5,500 |
| エアコンフィルター取替工賃 | 1 | ¥3,000 | 上記に含む |
| エアコンフィルター 28-006K | 1 | ¥3,800 | ¥3,800 |
| 法定点検・早期ご予約割引(1か月) | 1 | -¥454 | -¥454 |
| 技術料合計 | ¥44,800 | ||
| 部品合計 | ¥53,440 | ||
| 整備料合計(税抜) | ¥97,786 | ||
| 消費税 | ¥9,779 | ||
| 御請求額(総額) | ¥107,565 |
まとめ
今回のスバル フォレスター(DBA-SJ5)は、「出足がもたつく」「変速ショックを感じる」という体感症状の原因が、寒い時期特有のエアフロセンサーの特性不良にあった事例でした。走行モードを変えて再現性を確認し、スキャンツールで実測値との乖離を数値で裏付けることで、CVTではなくエンジン側の問題であると正確に切り分けることができました。
「エンジン不調」「出足がもたつく」といった症状は、体感だけでは判断が難しく、コンピュータ診断(スキャンツール診断)による裏付けが重要です。日野市・八王子市・多摩市・稲城市エリアで同様の症状にお困りの際は、秀勇自動車までお気軽にご相談ください。
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