エンジンチェックランプ点灯|3段階診断で判明したWRXの故障原因


故障修理
日野市 多摩市 八王子市 インプレッサ
車両情報
・車種:スバル インプレッサWRX
・型式:CBA-GRF
・初度登録:平成22年1月
・走行距離:115,801km

症状・ご相談内容

「エンジンチェックランプが点灯してしまった」とのご相談で、スバル インプレッサWRX(GRF型)をお預かりしました。日野市の秀勇自動車では、エンジンチェックランプ点灯のご相談に対し、コンピュータ診断で原因を特定したうえで修理をご提案しています。

お客様のお話では、8月下旬に遠方でチェックランプが点灯し、その際は出先近くの工場さまでエアフロセンサーを交換されたそうです。しばらくは異常がなかったものの、再びランプが点灯するようになってしまったとのことでした。

また、アクセルを踏んだ時の出力の出方がいつもと違うような感覚はあるものの、それ以外に体感できる不具合はないとのことです。さらに別件として、「エンジン冷却水が減る」というご相談も頂きました。

⚠ 注意:チェックランプ点灯中の走行について
エンジンチェックランプが点灯している間は、システム保護のため「エマージェンシーモード」で走行している場合があります。このモードではセンサーの補正が入らなくなり、エンジンコンピュータ内のデフォルト(初期設定)データで走行することになります。今回お客様が感じられていた出力の違和感も、このエマージェンシーモードになっていたためと考えられます。ランプが点灯したまま放置せず、早めの点検をおすすめします。

原因・点検結果

入庫後、まずスキャンツールによるコンピュータ診断を実施しました。すると「P2432 2次エア圧力センサー系統回路(LOW)」の故障コードが検出されました。前回は「P0172 空燃比リッチ異常」だったため、全く別の故障コードです。

2次エア圧力センサーは、左側の2次エアコンビバルブ内に装備されているセンサーです。そこで整備書に従い、エンジンコンピュータと2次エアコンビバルブ間の配線を点検しましたが、配線に異常はありませんでした。このことから、2次エアコンビバルブ単体の不良と断定しました。

【技術解説】2次エアコンビバルブ(2次エアシステム)の役割
2次エアシステムは、エンジンの冷間始動時に2次空気をシリンダーヘッドの排気ポートへ導入するシステムです。これにより未燃焼ガスを再燃焼させ、触媒の早期活性化を促し、HC(炭化水素)の排出量を減少させます。2次エアコンビバルブは、この2次空気を排気ポートへ導入するバルブで、内蔵のセンサーがこの部分の圧力を検知しています。    

排気ポート側に装着されている部品のため、排気ガス中の水分によって錆びたり固着したりする事例が多い部品です。

なお、2次エアコンビバルブを取り外すにはインタークーラーの脱着が必要です。作業にあたってスロットルボディを確認したところ、カーボンがかなり堆積している状態でした。

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▲ 清掃前のスロットルボディ。内部にカーボンが堆積しています。

また、冷却水が減るというご相談については、冷却液漏れの点検(水圧検査)を実施しました。圧力変動はなく、漏れ等の異常は見られませんでしたが、サブタンク側のラジエターキャップが早く開弁してしまう状態でした。

作業工程・技術的なポイント

長い期間スロットルボディ廻りの洗浄作業を実施している形跡がなかったため、2次エアコンビバルブの交換にあわせて吸気系の清掃もご提案しました。その結果、2次エアコンビバルブの交換、吸気系の洗浄作業に加え、エンジンオイル交換とタイヤローテーションもご用命頂きました。さらに、冷却水の減りについてはラジエターキャップを交換しています。

① 2次エアコンビバルブ(左側)の交換
インタークーラーを取り外し、不良と断定した左側の2次エアコンビバルブを交換しました。パーツはバルブ(エアサクション)とガスケットを新品に交換しています。

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▲ 2次エアコンビバルブの新旧比較。右側の取り外した旧品は錆が目立ちます。

⚠ 右側の2次エアコンビバルブについて
2次エアコンビバルブは、排気ガスの水分により錆びて固着する事例が多い部品です。今回は左側のみ不良だったため、左のみ交換しました。右側も今後故障するリスクはありますが、右側はインテークマニホールドを取り外さないと交換できない仕様のため、今回は様子見としました。

② 吸気系の洗浄(スロットルボディ・カーボン洗浄)
スロットルボディ内部のカーボン堆積に対し、WAKO’S スロットルバルブクリーナーとPETRA フューエルシステムクリーナーを使用して洗浄を行いました。洗浄後は学習値のリセットと再学習も実施しています。

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▲ 吸気系洗浄のイメージ図。スロットルボディはスロットルバルブクリーナー、それ以降の吸気通路はフューエルシステムクリーナーで洗浄します(説明用イメージ)。

【技術解説】なぜ吸気系の洗浄が必要なのか
ガソリンエンジンは、空気と燃料を混ぜた混合気を燃焼させて動いています。スロットルボディは吸入空気量を調整する部品ですが、使用を続けるうちに内部へ煤(すす)や汚れが蓄積します。汚れが増えると空気の流れを阻害し、エンジンの調子や排気ガスの状態に影響することがあります。定期的な洗浄は、燃焼状態の改善やアイドリング不調・燃費悪化の予防につながります。

③ ラジエターキャップの交換・エンジンオイル交換・タイヤローテーション
冷却水が減るとのご相談に対し、早く開弁してしまうラジエターキャップを交換し、冷却液(Wako’s ハイパー・ロングライフ・クーラント)を補充しました。あわせて、エンジンオイル(Valvoline MaxGuard WR 5W-50 SP)の交換と、タイヤ空気圧調整及びローテーションを実施しています。

作業結果

すべての作業完了後、故障コードの消去、走行テスト、空燃比の再学習などを行い、異常がないことを確認してお返ししました。

洗浄後のスロットルボディは、カーボンが除去されてきれいな状態になりました。

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▲ 清掃後のスロットルボディ。汚れが取れ、金属面がきれいになりました。

【作業後の確認値】
・空燃比学習値:-3.9%程度(正常値)
・排気ガス濃度:CO 0.01%、HC 15ppm(全く問題ない状態)

費用明細

項目 数量 単価 金額
スキャンツールによるダイアグ・コードの読み取り・消去 1 2,000円 2,000円
故障診断に伴う問診作業 1 4,000円 4,000円
インタークーラー脱着 1 3,000円 3,000円
ECM脱着、2次エアコンビバルブLH~ECM配線点検 1 3,000円 3,000円
2次エアコンビバルブLH不良~取替 1 13,000円 13,000円
バルブ,エアサクション(14864AA020) 1 20,700円 20,700円
ガスケット,EGRコントロール(14719AA033) 1 760円 760円
エンジン内部カーボン洗浄、学習値リセット及び再学習施工 1 9,000円 9,000円
WAKO’S スロットルバルブクリーナー 1 3,800円 3,800円
PETRA フューエルシステムクリーナー 1 6,500円 6,500円
ラジエターキャップ(45137AE003) 1 1,460円 1,460円
Wako’s ハイパー・ロングライフ・クーラント 0.30 2,400円 720円
オイルパン・ドレーン・ガスケット PD-0801 スバル用 1 100円 100円
Valvoline MaxGuard WR 5W-50 SP 4 3,200円 12,800円
タイヤ空気圧調整及びローテーション 1 4,000円 4,000円
技術料合計 38,000円
部品合計 46,840円
整備料合計 84,840円
消費税(10%) 8,484円
総額(税込) 93,324円

まとめ

今回のエンジンチェックランプ点灯の原因は、左側2次エアコンビバルブの不良でした。コンピュータ診断で「P2432 2次エア圧力センサー系統回路(LOW)」を検出し、配線点検で異常がないことを確認したうえで、バルブ単体の交換を行いました。前回の「P0172」とは別の故障コードだったため、原因を正確に切り分けることが重要でした。

あわせて、スロットルボディのカーボン堆積に対する吸気系の洗浄、ラジエターキャップの交換、エンジンオイル交換、タイヤローテーションも実施しています。作業後は空燃比学習値、排気ガス濃度ともに正常で、安心してお乗り頂ける状態になりました。なお、右側の2次エアコンビバルブについては、今後の状態を見ながら様子を見ていく形となります。

エンジンチェックランプの点灯でお困りの方は、日野市の秀勇自動車へお気軽にご相談ください。日野市・八王子市・多摩市・稲城市を中心に、コンピュータ診断による原因究明から修理までご対応いたします。

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