コンピューター診断で発覚!空燃比異常を改善した吸気系清掃の全工程


故障修理車検・点検
車両情報
・車種:スズキ ソリオ バンデット
・型式:DBA-MA15S
・初度登録:平成26年12月
・走行距離:44,799km

車検整備と吸気系清掃による燃調改善作業

今回は、スズキ ソリオ バンデットの車検整備をご依頼いただきました。走行距離は44,799kmで、平成26年式の車両です。OBD点検を含む総合的な診断を実施したところ、エンジンの空燃比に異常値が確認されたため、吸気系のカーボン清掃を中心に各種メンテナンスを行いました。

診断結果と発見された問題点

まず、OBD点検をスキャンツールで実施しました。BCMに携帯リモコン電池消耗の過去故障コード(B1134)、オートレベリングにIGN電源電圧異常の過去故障コード(B1951)が記録されていましたが、いずれも過去の履歴であり、現在は問題ない状態でした。各履歴を消去し、再点灯しないことを確認しています。

次にスキャンツールでエンジンデータを詳細に確認したところ、空燃比補正率モニター値が-13%~-16.41%を推移していることが判明しました。これは完全暖気後、無負荷アイドル時の数値です。理想的な空燃比補正率は±5%以内とされており、マイナス側に大きく振れている状態は、燃料が濃い、もしくは吸気量が不足していることを示しています。

CO・HCの排気ガステストを実施したところ、CO 0.45%、HC 60ppmという数値でした。基準値内ではありますが、やや高めの数値です。レーシング後は各値が0となり、エンジンの燃焼状態に改善の余地があることが確認されました。O2センサーの反応点検では異常はありませんでした。

⚠ 注意ポイント
空燃比補正率が-10%を超えてマイナス側に振れている場合、吸気系のカーボン堆積や吸気漏れ、燃料系統の問題が考えられます。放置すると燃費悪化やエンジン不調の原因となるため、早めの対処が必要です。

吸気系清掃作業の実施

スロットルボディを点検したところ、カーボンの堆積が確認されました。スロットルボディにカーボンが蓄積すると、吸気通路が狭くなり、適正な空気量がエンジンに供給されなくなります。これが空燃比補正率の異常につながっていたと判断し、吸気系の徹底的な清掃を実施することにしました。

作業内容は以下の通りです。まず、WAKOS スロットルバルブクリーナーを使用してスロットルボディのカーボンを除去しました。さらに、PETRA フューエルシステムクリーナーとWakos フューエル1を使用し、燃料系統全体のクリーニングも実施しました。これにより、インジェクター内部や燃焼室内のカーボンも除去されます。

エアクリーナーエレメントも汚れが蓄積していたため、新品に交換しました。古いエレメントでは吸気抵抗が増加し、エンジン性能に悪影響を及ぼします。清掃作業後は、ECUの学習値をリセットし、エンジンが新しい吸気状態に適応できるようにしました。

📘 技術解説:空燃比補正率とは
空燃比補正率は、エンジンが目標とする空燃比を維持するために、ECUが燃料噴射量をどれだけ補正しているかを示す値です。プラス側に振れている場合は燃料を増量、マイナス側に振れている場合は燃料を減量していることを意味します。理想的には±5%以内に収まるのが正常な状態です。

清掃後の結果

吸気系清掃作業完了後、再度スキャンツールでエンジンデータを確認しました。空燃比補正率モニター値は-3.91%~-2.34%と、正常範囲内に改善されました。これにより、エンジンが適正な空燃比で運転できる状態になったことが確認できました。燃費の向上やエンジンフィーリングの改善が期待できます。

その他の車検整備内容

吸気系清掃以外にも、車検に伴う各種メンテナンスを実施しました。

エンジンオイル及びフィルター交換:Wako’s EX-CRUISEスペシャル 5W-30を3.1リットル使用し、オイルエレメントとドレーンガスケットも新品に交換しました。PETRA Engine Shieldも添加し、エンジン保護性能を向上させています。

エンジン冷却液(クーラント)交換:Wako’sハイパー・ロングライフ・クーラントを3.6リットル使用し、冷却システム全体をリフレッシュしました。前回の交換は令和3年11月とのことで、適切な交換時期でした。

Vベルト全数取替:ファンベルト(7PK988L)とクーラーベルト(SF4PK718B)を新品に交換しました。ベルトの劣化は突然の破損につながるため、予防的な交換を推奨しています。

バッテリー交換:バッテリーテストの結果、充電状態76%、寿命テスト41%(基準値500CCA、測定値398CCA)、エンジン始動能力テスト68%(8.07V)という数値でした。寿命テストの値が基準を下回っており、交換時期と判断しました。GSユアサ ER 75B24L/N-75を装着しています。

前後ブレーキ分解及び清掃:ブレーキ残量は前輪5.0mm、後輪3.6/3.8mmでした。分解清掃を行い、ブレーキフルード(DOT4)も交換しました。タイヤ空気圧調整とローテーションも実施しています。

ATF又はCVTF交換:スキャンツールで油温管理を行いながら、WAKOS CVTFプレミアムスペックを6リットル使用して手動方式で交換しました。PETRA TRANSMISSION SYSTEM CLEANERとPETRA UNIVERSAL SYNTHETIC CVT CONDITIONERも添加し、CVTの性能を最適化しています。ドレーンガスケットも新品に交換しました。

エアコンガスオイル補充:Wako’s パワーエアコンリキッド2.5ml分を補充し、エアコンシステムの冷却性能を回復させました。

その他の修理・交換作業

フロントロアアームブーツ及びタイロッドエンドブーツにひび割れが発見されました。ロアアームブーツは交換推奨ですが、ロアアーム及びナックルがかなり錆びており、取り外しができるか微妙な状態でした。そのため、今回はシールパッキン(エンジン廻り用)を使用して補修対応としました。

また、ドアミラーアウターカバーの塗装が剥がれていたため、お客様のご要望により左右のカバーを新品に交換しました。カバー,アウトミラーバイザ,ライト(ゴールド)とカバー,アウトミラーバイザ,レフト(ゴールド)を使用し、外観を一新しています。

費用明細

作業内容・使用部品名 数量 単価 金額
車検整備基本工賃(24ヶ月点検) – – 27,000円
下廻り洗浄料金 – – –
検査機器による点検・調整 – – 5,000円
OBD点検実施 – – 2,000円
エンジン内部カーボン洗浄、学習値リセット作業 – – 2,700円
WAKOS スロットルバルブクリーナー 1.00 2,900円 2,900円
PETRA フューエルシステムクリーナー 1.00 6,000円 6,000円
Wakos フューエル1 1.00 2,160円 2,160円
エアークリーナ・エレメント V91112-S024 1.00 1,500円 1,500円
オイル・エレメント V9111-0105 1.00 1,200円 1,200円
Wako’s EX-CRUISEスペシャル 5W-30 3.10 – –
オイルパン・ドレーン・ガスケット PD-0702 1.00 100円 100円
PETRA Engine Shield 1.00 3,800円 3,800円
用品特別値引き 1.00 -500円 -500円
Wako’sハイパー・ロングライフ・クーラント 3.60 2,000円 7,200円
ファン・ベルト 7PK988L 1.00 3,040円 3,040円
クーラー・ベルト SF4PK718B 1.00 1,620円 1,620円
クリップ、ベルトカバー 3.00 150円 450円
バッテリー GSユアサ ER 75B24L/N-75 1.00 22,900円 22,900円
前後ブレーキ分解及び清掃 – – –
パーツクリーナー 1.00 1,800円 1,800円
ブレーキフルード(DOT4) 1.00 1,800円 1,800円
ATF又はCVTF交換 手動方式 – – 7,200円
WAKOS CVTFプレミアムスペック 6.00 3,400円 20,400円
PETRA TRANSMISSION SYSTEM CLEANER 1.00 2,500円 2,500円
PETRA UNIVERSAL SYNTHETIC CVT CONDITIONER 1.00 3,500円 3,500円
オイルパン・ドレーン・ガスケット 24824-54LS0-000 1.00 360円 360円
エアコンガスオイル補充 – – 1,800円
PAC-L Wako’s パワーエアコンリキッド 2.5ml分 1.00 4,200円 4,200円
シールパッキン エンジン廻り用 0.40 3,180円 1,272円
ドアミラーアウターカバー左右取り換え – – 4,500円
カバー,アウトミラーバイザ,ライト(ゴールド) 84718-82K40-ZFF 1.00 5,750円 5,750円
カバー,アウトミラーバイザ,レフト(ゴールド) 84728-82K40-ZFF 1.00 5,750円 5,750円
車検・早期ご予約割引(1か月) – – -909円
技術料合計 49,291円
部品合計 99,702円
整備料合計 148,993円
消費税(10%対象) 15,718円
自賠責保険 17,650円
重量税 24,600円
印紙代 2,200円
代行料 8,182円
諸費用合計 52,632円
御請求額 217,343円

まとめ

今回の車検整備では、吸気系のカーボン清掃により空燃比補正率を正常値に改善することができました。エンジンオイル、クーラント、ベルト類、バッテリー、ブレーキフルード、CVTフルードなど、各種消耗品も適切なタイミングで交換し、車両の状態を大幅にリフレッシュすることができました。

特に空燃比補正率の改善は、燃費向上やエンジンの長寿命化に直結する重要なポイントです。定期的なメンテナンスと診断により、このような問題を早期に発見し対処することが、愛車を長く快適に乗り続けるための秘訣です。

秀勇自動車では、スキャンツールを使用した高度な診断技術と、豊富な経験に基づく的確な整備で、お客様の大切な愛車をサポートいたします。車検や点検、気になる症状がございましたら、お気軽にご相談ください。


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