ブレーキ鳴きが止まらない?パッド交換だけでは直らない2つの理由


故障修理
車両情報
・車種:ニッサン セレナ
・型式:DAA-GFC27
・初度登録:平成30年1月
・走行距離:51,772km

お客様のお悩み

今回ご入庫いただいたのは、日産セレナ(平成30年式)です。お客様からは「ブレーキを踏むとキーキーと音がする」とのご相談をいただきました。実は他店で車検を受けた際にブレーキパッドを交換してもらったそうですが、症状は改善しなかったとのことでした。

実際に走行テストを行ったところ、走り始めた直後に数回ブレーキ鳴きの症状が発生しましたが、ブレーキが温まってくると再現しなくなってしまいました。このような間欠的な症状は原因の特定が難しいケースもありますが、当店では丁寧な分解点検を実施いたしました。

原因の特定

ブレーキを分解して詳しく点検したところ、問題の原因が明らかになりました。ブレーキのディスクローターは、前輪側に錆が発生しており、さらに前後輪ともにレコード盤のような偏摩耗が確認されました。当然ながら、ブレーキパッドも同じように筋が入った形で摩耗していました。


      

【作業前】フロントブレーキローター
表面に錆が発生し、レコード盤のような偏摩耗が確認できます。この凹凸がブレーキ鳴きの原因となっていました。


      

【作業前】リヤブレーキローター
リヤ側も同様に偏摩耗が発生しています。円周状の筋が入っており、均一な接触面が失われている状態です。


      

【作業前】ブレーキパッド
ローターの偏摩耗に合わせて、パッド表面にも筋状の摩耗が発生しています。この状態では新品パッドに交換しても、ローター側の問題が残るため根本的な解決にはなりません。

ブレーキ鳴きのメカニズム

ディスクローターに偏摩耗があると、回転時にブレーキパッドが引っ張られる状態になります。これはちょうどレコード盤とレコード針の関係に似ています。

しかし、ブレーキパッドはレコード針とそのアームのように自由に動けるスペースがありません。その結果、振動が発生し、不快なブレーキ鳴きが起こってしまうのです。

今回のケースでは、パッド交換だけでは根本的な解決にならず、ディスクローター側の偏摩耗を修正する必要がありました。

実施した作業内容

1. ディスクローターの研磨

点検の結果、ディスクローターの残量自体には問題がないことが確認できました。そこで、前後輪のディスクローターを取り外し、専用機器で研磨を実施しました。これにより、レコード盤状の偏摩耗を平らに修正し、正常な接触面を取り戻すことができます。


      

【研磨後】ブレーキローター
専用機器で研磨を行い、表面が滑らかで均一な状態になりました。偏摩耗による凹凸が完全に除去され、ブレーキパッドとの正しい接触面が確保されています。

2. ブレーキパッドの研磨と鳴き止め剤の塗布

ブレーキパッドについても、偏摩耗した表面を平らに研磨しました。その上で、wynn’s(ウインズ)社のブレーキ鳴き止め剤「ストップスクイーク」を塗布しました。

ストップスクイークの効果

ストップスクイークは、ブレーキパッドの摩擦材表面に塗布することでグラファイトを形成します。これにより微妙な凹凸を無くし、パッドとローターの正しい接触面を作り出します。偏摩耗による不均一な接触を改善し、ブレーキ鳴きを防止する効果があります。


      

【施工後】ストップスクイーク塗布済みブレーキパッド
パッド表面を研磨後、wynn’s ストップスクイークを塗布しました。グラファイトの被膜が形成され、微細な凹凸を埋めることでブレーキ鳴きを防止します。

3. ブレーキの分解清掃

作業にあたっては、前後ブレーキを分解し、パーツクリーナーを使用して各部品を丁寧に清掃しました。汚れや異物を除去することで、ブレーキ本来の性能を発揮できる状態に整えました。

4. エンジンオイルの交換

点検時にエンジンオイルの汚れを確認しました。前回の交換から走行距離も経過していたため、今回併せてオイル交換も実施させていただきました。使用したオイルは「samsure スーパーローフリクション SN 0W-20」で、オイルパンドレンガスケットも新品に交換しています。


      

【交換前】エンジンオイル
使用により黒く変色し、汚れが蓄積されている状態です。定期的なオイル交換がエンジンの性能維持には欠かせません。


      

【交換後】エンジンオイル
新油に交換し、透明感のある綺麗な状態になりました。エンジン内部の潤滑・冷却・清浄作用が正常に機能します。

作業完了後の確認

すべての作業完了後、実際に走行テストを実施しました。走り始めから十分にブレーキを使用してテストを行いましたが、ブレーキ鳴きの症状は再現せず、快適にご使用いただける状態となりました。

タイヤの空気圧調整、サービスリマインダーのリセットも実施し、安心してお乗りいただける状態でお客様にお渡しいたしました。

費用明細

作業内容・使用部品名 数量 単価(円) 金額(円)
フロント・ディスク・ロータ脱着 1式 10,800 10,800
リヤ・ディスク・ロータ脱着 1式 9,900 9,900
フロント・ディスクローター研磨 1式 8,000 8,000
リヤ・ディスクローター研磨 1式 8,000 8,000
前後ブレーキ分解及び清掃 1式
パーツクリーナー 1.00 1,800 1,800
wynn’s ストップスクイーク 2.00 500 1,000
エンジンオイル取替 1式
samsure スーパーローフリクション SN 0W-20 3.60 7,200
オイルパン・ドレーン・ガスケット PD-0303日産用 1.00 100 100
タイヤ空気圧調整 1式
サービスリマインダーリセット 1式
技術料合計 33,027
部品合計 10,100
整備料合計 43,127
消費税(10%) 4,313
ご請求額 47,440

※特別値引き 3,673円を適用させていただきました。

まとめ

ブレーキ鳴きは、パッド交換だけでは解決しないケースも少なくありません。今回のように、ディスクローターの偏摩耗が原因となっている場合は、ローター側の修正が必要です。

秀勇自動車では、症状の原因を正確に見極め、適切な整備をご提案いたします。ブレーキの異音でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

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