足回りブーツ交換からカーボン清掃まで!ハスラー車検で必要になった3つの追加整備


故障修理車検・点検
車両情報
・車種:スズキ ハスラー
・型式:DAA-MR41S
・初度登録:平成28年9月
・走行距離:88,805km

症状・ご相談内容

今回は車検でお預かりしたスズキ ハスラー(DAA-MR41S/平成28年9月登録/走行距離88,805km)の施工事例をご紹介します。走行距離が約9万kmに達したこともあり、足回りのゴムカバー類の劣化や、吸気系へのカーボン堆積が全体的に進んだ状態でのご入庫となりました。

車検整備の一環として車両全体を点検したところ、以下の問題が確認されました。

  • 足回りの各ゴムブーツ類(ロアボールジョイントブーツ・タイロッドエンドブーツ・スタビライザーリンクブーツ)の破れ・ひび割れ
  • スロットルボディをはじめとする吸気系へのカーボン堆積
  • バックランプ(左)が暗く、車検不適合の状態
  • 発炎筒の使用期限切れ(2025年6月)
  • フロントデフオイルの滲み
  • OBD点検で故障履歴コードを複数検出(過去履歴)
⚠ ご注意
足回りのゴムブーツが破れた状態で放置すると、内部のグリスが流出し、ボールジョイントやタイロッドエンドの金属部分が直接大気や水分にさらされます。これにより摩耗や錆が急速に進み、最終的にはステアリング操作不能など重大な走行不能トラブルにつながる危険があります。車検時に限らず、定期的な足回り点検をお勧めします。

原因・点検結果

詳細な点検の結果、各部の状態は以下のとおりでした。

日野市 多摩市 八王子市 ハスラー
      
【画像】タイロッドエンドブーツが破れてグリスが漏れており、ロアアームブーツはひび割れが確認されました。

      
【画像】スタビライザーリンクのブーツにも破れが確認されました。

【足回り】
左右フロントのロアボールジョイントブーツが破れ、タイロッドエンドブーツも破れてグリスが漏れ出している状態でした。スタビライザーリンクのブーツにも破れが確認されました。これらは走行による経年劣化が主な原因です。

【吸気系・エンジン内部】
走行距離が約9万kmに達したことで、スロットルボディをはじめサージタンク・インテークマニホールド・吸気バルブ・排気バルブにカーボンが堆積していました。カーボン堆積はアイドリング不安定・燃費悪化・加速感の低下といった症状を引き起こします。

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【画像】スロットルボディ清掃前の状態。バタフライバルブ周辺にカーボンが堆積しています。

【OBD診断(スキャンツールによるDTC読み取り)】
複数の故障コードが検出されましたが、いずれも過去の履歴であり、現在は正常動作を確認しています。

  • エンジン:P254F フードS/W異常
  • A/C:B1513 エアミックスアクチュエーター異常、B1514 モードアクチュエーター異常、B151 空気清浄機系統異常
  • BCM:B1141 外気温センサー系統 High異常、B1150 エアバックコントローラー通信異常、B1180 運転席ドアリクエストS/W ON異常

いずれも過去履歴のため、正常動作を確認の上、履歴を消去しました。

【バックランプ】
左側バックランプのLEDが暗く、車検基準を満たさない状態(車検不適合)でした。バルブ球の劣化が原因です。

【発炎筒】
搭載されていた発炎筒の使用期限が2025年6月で切れており、法定備品として交換が必要な状態でした。

【フロントデフオイル】
フロントデフオイルに滲みが確認されたため、交換とあわせて漏れ止め剤の注入が必要と判断しました。

【バッテリー・各測定値】
バッテリーテスト:充電状態100%、寿命テスト98%(基準値400CCA、測定値398CCA)、エンジン始動能力テスト96%、充電テスト13.79V → 令和5年9月交換済のため、現時点では問題なしと判断。

作業工程・技術的なポイント

今回の車検整備では、車検基本項目に加え、点検で判明した各不具合箇所を順次整備しました。作業の主なポイントを以下にご説明します。

■ 吸気系カーボン洗浄(スロットルボディ清掃・フューエルシステム洗浄)

🔧 技術解説:段階的な吸気系クリーニングとは
吸気系のカーボン清掃は、汚れの場所と性質に合わせて複数の専用洗浄剤を使い分けることが重要です。今回は以下の手順で実施しました。     

① スロットルボディ清掃:WAKO’S スロットルバルブクリーナーを使用し、バタフライバルブ周辺のカーボンを直接除去。
② サージタンク・インテークマニホールド・吸排気バルブ清掃:PETRA フューエルシステムクリーナーを使用し、吸気経路の奥まで洗浄。
③ 燃料系統(燃料タンク~インジェクター)洗浄:Wako’s フューエル1を使用し、インジェクターのつまりや燃料系の汚れを洗浄。

各洗浄後、エンジンコンピューター(ECU)の学習値をリセットし、再学習を実施することで、クリーニングの効果を最大限に引き出します。

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【画像2】スロットルボディ清掃イメージ。専用のスロットルバルブクリーナーを使用して丁寧に清掃します。

      
【画像】清掃作業中。バタフライバルブ周辺のカーボンを丁寧に除去しています。
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【画像】清掃完了後のスロットルボディ。清掃前はISC制御用スロットル開度が無負荷・完全暖気後のアイドリング時に25.49%でしたが、清掃後は19.22%に低減しました。堆積したカーボンが除去されたことで、アイドリング時にバタフライを開く量が少なくなり、燃費改善やアイドリング安定化への効果が数値として確認できました。

■ 足回りゴムブーツ類の交換

左右フロントのロアボールジョイントブーツ(DC-2663)・タイロッドエンドブーツ(DC-2523)・スタビライザーリンクをそれぞれ取り替えました。交換後は足回り各ブッシュへの給油も実施し、可動部の保護と動作円滑化を図りました。

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【画像】ロアアームブーツ・スタビリンク交換後。新品のブーツに交換し、内部グリスも適切に封入されました。

      
タイロッドエンドブーツ交換後。破れていたブーツが新品に交換され、グリスの漏れも解消されました。

■ ブレーキ整備

前後ブレーキを分解・清掃し、ブレーキフルード(DOT4)を交換しました。ブレーキ残量は前輪7.7mm・後輪3.0/3.2mmで、今回の車検は通過できる状態でしたが、後輪は次回までの継続的な確認が必要です。タイヤ残量は前輪5.9mm・後輪7.0mm、タイヤ空気圧の調整とローテーションも実施しました。

■ デファレンシャルオイル交換

フロント・リヤデフオイルをともにWako’s RG・ANOTHER RG5120LSD 80W-120に交換しました。フロントデフはオイル滲みがあったため、WAKO’S ミッションパワーシールドを注入し、滲みの再発を抑制する処置を行いました。

■ エンジン冷却水復活剤の補充

Wako’s クーラントブースターを注入し、冷却水の防錆・防腐・冷却能力の維持を図りました。

■ バックランプバルブ交換

左側バックランプが暗く車検不適合のため、左右ともにウェッジ球(12V18W)に交換しました。

■ 発炎筒交換

使用期限(2025年6月)が切れていた発炎筒を新品に交換しました。発炎筒は道路交通法で搭載が義務付けられている法定備品です。期限切れの場合は車検不適合となるため、必ず有効期限内のものを搭載してください。

■ エアクリーナーエレメント交換

エアクリーナーエレメントを新品に交換しました。エレメントが目詰まりすると吸入空気量が不足し、燃費悪化やエンジン出力低下の原因となります。

■ エアダクトクリップ交換

エアダクトのクリップに爪欠損が見られたため、新品クリップに交換しました。

⚠ 今回ご提案したがお客様の判断で見送った作業
・CVTフルード交換(手動方式/スキャンツールにて油温管理):約9万kmの走行距離を考えると、CVTフルードの劣化が懸念されます。次回点検時には改めてご検討をお勧めします。
・エアコンガスオイル補充:エアコンをあまり使用しないとのことで今回は見送り。     

次回車検時の推奨交換部品:ファンベルト、ドライブシャフトブーツ(インナー)が交換時期となります。次回の車検前に必ずご確認ください。

作業結果

今回の車検整備および追加整備の実施により、以下の改善が確認されました。

  • スロットルボディ清掃後のISC制御用スロットル開度が25.49%から19.22%へ低減。アイドリングの安定化と燃費改善が期待できます。
  • 破れていたロアボールジョイントブーツ・タイロッドエンドブーツ・スタビライザーリンクブーツを新品に交換し、足回りの安全性を確保しました。
  • フロントデフオイルの滲みに対して漏れ止め剤を注入し、オイル管理を適正化しました。
  • バックランプの車検不適合を解消し、視認性・安全性を確保しました。
  • 発炎筒を有効期限内の新品に交換し、法定備品を適正な状態に整えました。
  • OBD診断で検出された故障履歴コードはすべて過去履歴であることを確認し、消去しました。
  • 次回車検日:令和9年9月25日

費用明細

作業内容・使用部品名 数量 単価(円) 金額(円)
【車検(A)セット】
車検整備基本工賃(24ヶ月点検) ― ― 25,000
下廻り洗浄料金 ― ― ―
検査機器による点検・調整 ― ― 5,000
OBD点検(スキャンツールによるDTC読み取り) ― ― 2,000
【エンジン冷却水復活剤注入】
 Wako’s クーラント・ブースター 1.00 2,160 2,160
【エア・クリーナ・フィルタ取替】
 エアークリーナ・エレメント 1.00 1,800 1,800
【エンジン内部カーボン洗浄・学習値リセット・再学習施工】
 カーボン洗浄技術料 ― ― 2,700
 WAKO’S スロットルバルブクリーナー 1.00 2,900 2,900
 PETRA フューエルシステムクリーナー 1.00 6,000 6,000
 Wako’s フューエル1 1.00 2,160 2,160
【前後ブレーキ分解及び清掃】
 パーツクリーナー 1.00 1,800 1,800
 ブレーキフルード(DOT4) 1.00 1,800 1,800
タイヤ空気圧調整及びローテーション ― ― ―
【フロント・デファレンシャル・オイル交換】
 Wako’s RG・ANOTHER RG5120LSD 80W-120 0.50 2,640 1,320
 WAKO’S ミッションパワーシールド 0.10 4,800 480
 パーツクリーナー 1.00 1,800 1,800
【リヤ・デファレンシャル・オイル交換】
 Wako’s RG・ANOTHER RG5120LSD 80W-120 1.50 2,640 3,960
【左右フロント・ロア・ボールジョイント・ダストブーツ破れ~取替】
 取替技術料 ― ― 12,600
 ロアボールジョイントブーツ DC-2663 2.00 1,300 2,600
 ショートパーツ 1.00 500 500
【左右タイロッド・エンド・ダストブーツ破れ~取替】
 取替技術料 ― ― 9,000
 タイロッドエンド・ブーツ DC-2523 2.00 370 740
 ショートパーツ 1.00 500 500
【左右フロント・スタビライザ・リンク破れ~取替】
 取替技術料 ― ― 5,400
 フロント・スタビライザーリンク ナット付 2.00 5,250 10,500
足廻り各ブッシュ給油 ― ― ―
【エアダクト・クリップ 爪欠損~交換】
 クリップ 1.00 150 150
【バックランプ・バルブ取替】
 取替技術料 ― ― 1,800
 ウェッジ球 12V18W 2.00 200 400
【発炎筒取替 使用期限2025年6月】
 発炎筒(小) 1.00 700 700
車検・早期ご予約割引(2か月) ― ― △ -1,825
技術料合計 61,675円
部品合計 42,270円
整備料合計(技術料+部品合計) 103,945円
【諸費用】
自賠責保険 ― ― 17,540円
重量税 ― ― 5,000円
印紙代 ― ― 2,200円
代行料 ― ― 8,182円
諸費用合計 32,922円
消費税(10%対象:112,127円) 11,213円
御請求額(総額) ¥148,080

まとめ

今回は東京都日野市にお住まいのお客様からご依頼いただいた、スズキ ハスラー(DAA-MR41S)の車検整備事例をご紹介しました。走行距離が約9万kmに達した車両では、ゴムブーツ類の劣化や吸気系のカーボン堆積など、経年による部品の劣化が各所に見られる時期です。

特に、スロットルボディのカーボン洗浄ではアイドリング時のスロットル開度が25.49%から19.22%へと改善し、燃費向上・アイドリング安定化の効果が数値として明確に確認できました。足回りのブーツ類はいずれも放置すれば重大なトラブルに発展する箇所であり、早期に発見・交換できたことは安全面でも大きなメリットがあります。

また、CVTフルードの交換とエアコンガスオイル補充については今回は見送りとなりましたが、次回点検時に改めてご検討いただくことをお勧めしております。次回車検(令和9年9月)までには、ファンベルトおよびドライブシャフトブーツ(インナー)も交換時期を迎えます。早めのご相談をお待ちしております。

秀勇自動車では、東京都日野市を中心に、スズキ・ハスラーをはじめとする軽自動車・普通車の車検・定期点検・足回り修理・カーボン洗浄・各種整備を承っております。お車のことでお困りの際は、お気軽にご相談ください。

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