CVTフルード交換で押さえたい3つの要点|フォレスター整備

・車種:スバル フォレスター
・型式:5AA-SKE
・初度登録:平成31年2月
・走行距離:60,266km
症状・ご相談内容
今回は日野市にお住まいのお客様より、スバル フォレスター(型式:5AA-SKE)を車検整備でお預かりいたしました。24ヶ月点検一式に加えて、お客様よりいくつかご相談を頂きましたのでご紹介します。
ご相談内容は以下の通りです。
- 冷間始動時、アイドリングが不安定になることがある
- CVTフルード(CVTF)とCVTのオイルストレーナーを交換してほしい
- 前後デフオイルも合わせて交換してほしい
- エアクリーナーボックスをお持ち込みの部品に付け替えてほしい
- 前後ドアのウェザストリップ(内外)を交換してほしい
日野市・八王子市・多摩市・稲城市周辺にお住まいの方からも、同様の「冷間時のアイドリング不安定」「CVTフルード交換」に関するご相談を多くいただきますので、今回の点検・作業内容を詳しくご紹介いたします。
原因・点検結果
まず、冷間時のファーストアイドル不安定のご相談について点検を行いました。入庫時にオートエアコンとシートヒーターがONの状態で始動時の動作を確認したところ、エンジン回転数は正常な範囲で推移しており、回転数が上がる瞬間はエアコンコンプレッサーが接続されたタイミングと一致していました。
冷間時はエンジン自体の負荷が高い状態にあります。その状態でさらにエアコンコンプレッサーが接続されると、エンジンはその負荷に対応するために回転数を上昇させます。これは自然な制御であり、異常ではありません。今回の診断でも、現状のアイドリングの挙動は正常であると判断いたしました。
次に、CVTフルードとオイルストレーナーの交換についてです。作業に着手する前の段階で、当店からお客様へストレーナー交換の必要性については慎重にご説明させていただきました。
エンジンにもCVTにも、オイルの汚れを除去するフィルターが備わっていますが、その中には大きなゴミを回収する「ストレーナー」(ざるのような粗いフィルター)と、より細かい汚れを回収する「エレメント」(不織布)の2種類があります。
エンジンの場合、一般的にオーバーホール時を除きストレーナーは交換せず、エレメントのみを交換します。一方でCVTは内部が非分解構造となっているため、エレメントだけを取り出して交換することができません。おそらくお客様は、それを踏まえた上でストレーナー交換をご希望されたものと推察いたします。
しかしストレーナーはあくまで大きなゴミを回収する部品であり、ミッション内部にストレーナーが受け止めるような大きな鉄粉等が発生している状態であれば、それはミッションそのものの載せ替えが必要なレベルの状態を意味します(CVTは非分解のためオーバーホールもできません)。今回の走行距離等の状態から判断すると、フラッシング剤での洗浄後、トルコン太郎による圧送交換を行い、トルコン太郎内部のフィルターで循環ろ過し、添加剤を充填する対応で十分と考えられました。
以上の理由から、作業実施前の段階でストレーナー交換の必要性は低い旨をお客様にお伝えしておりました。それでも交換をご希望されたため、ご納得いただいた上で交換作業を行っております。
実際に取り外したストレーナーを確認したところ、汚れはそれほど見られず、事前の見立て通りの状態でした。

▲外したストレーナーです。汚れはそれ程見られませんでした。
また、点検の過程でスロットルボディを確認したところ、カーボンの堆積がかなり進んでおり、空気の流れを阻害している状態であることが判明しました。

▲カーボンが堆積しており、空気の流れを阻害している状態でした。
そのため、吸気系統の清掃をご提案させていただきました。
作業工程・技術的なポイント
ご依頼いただいた内容について、それぞれ以下の工程で作業を進めました。
CVTフルード・オイルストレーナー交換
まずCVTのフィラープラグを取り外し、フラッシング剤を注入して内部洗浄を実施します。洗浄後にエンジンを停止し、ドレーンコックからフルードを抜き取ったうえで、オイルパンとオイルストレーナーを取り外します。

▲オイルパンを接合していた液体パッキンを除去、清掃します。
張り付いたシールパッキンを除去・清掃し、新品のオイルストレーナーとオイルパンを取り付けます。

▲ミッションの液体パッキンを除去したら、新品を組付けしていきます。

▲液体パッキンを塗布し、規定トルクで各ボルトを締付、液体パッキンが乾燥する事を待ちます。
新しいシールパッキンが十分に乾燥した後、抜けた分のフルードを充填し、いよいよCVTフルード循環洗浄機「トルコン太郎」と接続します。オートマオイルのオイルクーラーホースを取り外し、アタッチメントホースを2本取り付けます。

▲アタッチメントを取付、トルコン太郎に接続します。

▲トルコン太郎を使用したフルード圧送交換のイメージ図です。
片方のホースからは古いフルードを抜き取り、もう片方のホースから新油を注入します。交換後は、トルコン太郎内部のフィルターでろ過し、さらに循環洗浄を行います。

▲3.2リットル抜き取った状態。新油と比べ、真っ黒です。

▲CVTF、新油の状態です。

▲全量抜き取り後の状態。抜き取り始めと比べ、透明感が上がっています。

▲トルコン太郎内部のフィルターでろ過した後の状態。新油とほとんど変わらない状態になりました。
CVTFはオイルの温度によって量が変化してしまうため、循環洗浄後は一度冷却し、メーカー規定温度になった時点でのオイル量を計測する必要があります。CVTが十分に冷却した後、スキャンツールを接続してCVTFの温度を計測しながらエンジンを始動し、フィラープラグから添加剤を注入。アイドリング状態でフルード温度を上げ、規定の35℃に達した時点でフィラープラグを外し、最終的なフルード量を調整して作業完了となります。
デフオイル・エアクリーナーボックス・ドアウェザストリップ
CVT関連作業に加え、前後のデフオイルも交換いたしました。
エアクリーナーボックスはお客様お持ち込みの部品への交換をご希望されました。持ち込みのエアエレメントはかなり汚れている状態でしたので、既存の綺麗なエアエレメントを移設したうえで対応いたしました。

▲吸気系の清掃イメージ図です。
また、前後ドアのウェザストリップも内外ともに交換のご希望があり、あわせて対応させていただきました。
スロットルボディ・吸気系統清掃
点検の結果ご提案したスロットルボディの清掃も実施しました。スロットルバルブクリーナーで丁寧に清掃を行います。

▲スロットルバルブクリーナーで清掃中です。

▲清掃後の状態です。
スロットルボディ清掃後は、スロットルボディの全閉位置を再学習させる必要があります。あわせてフューエルシステムクリーナーでスロットルボディ以降を、燃料系統専用のクリーナーで燃料系統を清掃し、各清掃後には空燃比学習値をリセットして再学習を実施します。この再学習を怠ると、清掃効果が十分に発揮されない場合があるため重要な工程です。
作業結果
CVTフルードとオイルストレーナーの交換により、フルードは新油とほとんど変わらない状態まで清浄化されました。冷間時のアイドリング不安定については点検の結果、現状の挙動は正常であることを確認しております。
スロットルボディの清掃により、堆積していたカーボンを除去し、空気の流れを改善いたしました。前後デフオイルの交換、エアクリーナーボックスの付け替え、前後ドアウェザストリップの交換もすべて完了し、ご依頼いただいた作業は全て問題なく終了しております。
費用明細
| 作業内容・使用部品名 | 数量 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 車検(A)セット | – | – | – |
| 車検整備基本工賃(24ヶ月点検) | 1.00 | 29,000 | 29,000 |
| 下廻り洗浄料金 | – | – | – |
| 検査機器による点検・調整 | 1.00 | 5,000 | 5,000 |
| ①OBD点検実施(過去故障履歴読み取り) | 1.00 | 2,000 | 2,000 |
| ②エンジン冷却水復活剤注入 | – | – | – |
| Wako’s クーラント・ブースター | 1.00 | 2,160 | 2,160 |
| ③前後ブレーキ分解及び清掃 | – | – | – |
| パーツクリーナー | 2.00 | 1,800 | 3,600 |
| ブレーキフルード(DOT4) | 1.00 | 1,800 | 1,800 |
| ショートパーツ | 1.00 | 500 | 500 |
| タイヤ空気圧調整 | – | – | – |
| ④下回り各ブッシュ給油 | – | – | – |
| ⑤エアコンガスオイル補充 | 1.00 | 1,800 | 1,800 |
| PAC-L Wako’s パワーエアコンリキッド | 1.00 | 4,200 | 4,200 |
| ⑥助手席パワーウインドウ挟み込み防止装置点検・給油 | – | – | – |
| ⑦アンダーカバー・吸気ダクトクリップ取り換え | – | – | – |
| クリップ、アンダーカバー | 1.00 | 200 | 200 |
| クリップ、エアダクト | 2.00 | 120 | 240 |
| ⑧エンジン内部カーボン洗浄・学習値リセット | 1.00 | 2,700 | 2,700 |
| WAKOS スロットルバルブクリーナー | 1.00 | 2,900 | 2,900 |
| PETRA フューエルシステムクリーナー | 1.00 | 6,000 | 6,000 |
| Wakos フューエル1 | 1.00 | 2,160 | 2,160 |
| ⑨冷間時ファーストアイドル点検 | – | – | – |
| ⑩走行時異音点検(走行テスト実施) | – | – | – |
| ⑪バックドア小傷タッチアップペイント | – | – | – |
| ⑫エアクリーナーボックス交換(持ち込み部品) | 1.00 | – | 6,750 |
| 産業廃棄物処理費用 | 1.00 | 1,000 | 1,000 |
| ⑬ATF又はCVTF圧送交換(スキャンツール油温管理) | 1.00 | 9,000 | 9,000 |
| スバル純正 リニアトロックⅡ(20ℓ缶) | 1.00 | 40,000 | 40,000 |
| PETRA トランスミッションシステムクリーナー | 1.00 | 2,500 | 2,500 |
| PETRA ユニバーサル シンセティックCVTコンディショナー | 1.00 | 3,500 | 3,500 |
| ガスケット、フィラープラグ | 1.00 | 320 | 320 |
| フロント・デファレンシャル・オイル交換 | – | – | – |
| ドレーンコック・ガスケット | 1.00 | 190 | 190 |
| Wako’s RG・ANOTHER 75W-90 | 1.40 | 2,760 | 3,864 |
| ガスケット、オイルレベル | 1.00 | 320 | 320 |
| ガスケット、フィラープラグ | 1.00 | 320 | 320 |
| リヤ・デファレンシャル・オイル交換 | – | – | – |
| ドレーンコック・ガスケット | 1.00 | 320 | 320 |
| Wako’s RG・ANOTHER 75W-90 | 0.80 | 2,760 | 2,208 |
| ガスケット、フィラープラグ | 1.00 | 320 | 320 |
| パーツクリーナー | 2.40 | 1,800 | 4,320 |
| オートマチック・トランスミッション・オイルパン脱着 | 1.00 | 9,000 | 9,000 |
| オイルストレーナー取り換え | 1.00 | 2,700 | 2,700 |
| マグネット、オイルパン | 1.00 | 290 | 290 |
| ガスケット、トランスミッションカバー | 1.00 | 640 | 640 |
| オイルストレーナアセンブリ、トランスミッション | 1.00 | 9,830 | 9,830 |
| シールパッキン ミッション廻り用 | 1.00 | 3,180 | 3,180 |
| オイルパン・ドレーン・ガスケット(スバルA/T用) | 1.00 | 100 | 100 |
| ショートパーツ | 1.00 | 1,000 | 1,000 |
| ⑭左フロント・ドア・ウインド・ガラス・ウェザストリップ取替 | 1.00 | 6,570 | 6,570 |
| 左・フロントドア・ガラス・ウエザ アウタ | 1.00 | 5,860 | 5,860 |
| 左・フロントドア・ガラス・ウエザ インナ | 1.00 | 2,610 | 2,610 |
| 左・ブラインドリベット | 3.00 | 50 | 150 |
| 右フロント・ドア・ウインド・ガラス・ウェザストリップ取替 | 1.00 | 6,570 | 6,570 |
| 右・フロントドア・ガラス・ウエザ アウタ | 1.00 | 5,860 | 5,860 |
| 右・フロントドア・ガラス・ウエザ インナ | 1.00 | 2,610 | 2,610 |
| 右・ブラインドリベット | 3.00 | 50 | 150 |
| 左リヤ・ドア・ウインド・ガラス・ウェザストリップ取替 | 1.00 | 6,480 | 6,480 |
| 左・リヤドア・ガラス・ウエザ アウタ | 1.00 | 5,420 | 5,420 |
| 左・リヤドア・ガラス・ウエザ インナ | 1.00 | 2,420 | 2,420 |
| 左・ブラインドリベット | 3.00 | 50 | 150 |
| 右リヤ・ドア・ウインド・ガラス・ウェザストリップ取替 | 1.00 | 6,480 | 6,480 |
| 右・リヤドア・ガラス・ウエザ アウタ | 1.00 | 5,420 | 5,420 |
| 右・リヤドア・ガラス・ウエザ インナ | 1.00 | 2,420 | 2,420 |
| 右・ブラインドリベット | 3.00 | 50 | 150 |
| ショートパーツ | 1.00 | 2,000 | 2,000 |
| 自賠責保険(非課税) | – | – | 17,650 |
| 重量税(非課税) | – | – | 32,800 |
| 印紙代(非課税) | – | – | 2,300 |
| 代行料 | – | – | 8,182 |
| 技術料合計 | – | – | 95,050 |
| 部品合計 | – | – | 132,202 |
| 整備料合計 | – | – | 227,252 |
| 諸費用合計 | – | – | 60,932 |
| 消費税 | – | – | 23,543 |
| 御請求額 | – | – | ¥311,727 |
まとめ
今回はスバル フォレスターの車検整備をベースに、CVTフルード・オイルストレーナー交換、前後デフオイル交換、スロットルボディを含む吸気系統清掃、エアクリーナーボックス交換、前後ドアウェザストリップ交換までまとめて対応させていただきました。
冷間時のアイドリング不安定など、気になる症状があってもスキャンツールを使った点検で原因をしっかり見極め、本当に必要な整備をご提案することを大切にしています。オイルストレーナーのように「交換すれば安心」と思われがちな部品についても、構造や役割を踏まえた上で本当に必要かどうかを丁寧にご説明し、お客様のご判断を尊重した対応を心がけております。
秀勇自動車では、日野市・八王子市・多摩市・稲城市周辺のお客様を中心に、車検・点検・整備のご相談を承っております。アイドリングの不安定さやCVTフルードの汚れが気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
キーワード:CVTフルード交換/トルコン太郎/アイドリング不安定/日野市 修理/秀勇自動車
