エアバッグ警告灯が消えない原因と修理費用を徹底解説【スバル車検事例】

・車種:スバル インプレッサ
・型式:DBA-GT3
・初度登録:平成29年3月
・走行距離:76,737km
症状・ご相談内容
今回は、スバル インプレッサ(DBA-GT3・走行76,737km)を車検整備でお預かりしました。入庫時より歩行者エアバッグの警告灯が点灯したままの状態が続いており、このままでは車検に適合しないため、最初にエアバッグシステムの点検を実施することとなりました。
警告灯が点灯している状態では保安基準不適合となり、車検を通すことができません。エアバッグ系の不具合は安全性にも直結するため、早急な原因特定が必要な案件です。
原因・点検結果
まず、スキャンツール(OBD診断機器)によるDTC(故障コード)読み取りを実施したところ、以下の現在故障コードが確認されました。
故障コード:B1687 歩行者エアバッグ圧力センサ RH 外部通信故障(現在故障)
→ 履歴消去を試みても消去できない状態。センサー本体が完全に故障していると判断。
次に、車両外観を確認するとフロントバンパーの角部に凹み跡・擦り傷が見られました。何らかの接触によりセンサーが損傷した可能性が高いと判断し、フェンダーライナーを一部取り外してバンパー裏側を点検。すると、バンパー裏面にセンサーが強く接触した痕跡が確認されました。
さらにバンパーを完全に取り外して直接センサーを確認すると、接触の衝撃によってセンサーを固定するブラケットが折れて歪んでいる状態を目視確認。整備書に基づき配線(センサー〜コントロールユニット間)の断線・ショートの有無も点検しましたが異常はなく、センサー本体の不良と特定しました。
エアバッグ系の点検と並行して、車検全般の点検も実施し、以下の追加不具合が発見されました。
- エンジン廻り:ラジエーターキャップの開弁圧が低下(交換時期)。スロットルボディにカーボンが堆積しており、清掃が必要な状態。
- 足回り:前輪ブレーキパッドの摩耗、ブレーキローターの偏摩耗・錆を確認。前輪ロアアームブッシュにひび割れあり(至急交換は不要だが、約1年後が交換時期の見込み)。
- エアコン廻り:エアコンフィルターが汚れており臭いも発生。エバポレーター(熱交換器)の洗浄・除菌が必要な状態。
作業工程・技術的なポイント
① 歩行者エアバッグ圧力センサー交換
フロントバンパーを脱着後、破損していた歩行者エアバッグ圧力センサー本体・ブラケット(左右)・エネルギーアブソーバー・スペーサー等を一式新品に交換しました。
センサー不良の確定には、左右のセンサーを入れ替えて再点検するという整備書に基づいた手法を採用。入れ替え後に点検を行ったところ、B1687の故障コードが出ないことを確認し、センサー本体の不良を確定させました。この手順により、配線側の問題ではなくセンサー固有の故障であることを論理的に特定できます。
② ラジエーターキャップ取替・冷却水復活剤注入
ラジエーターキャップは開弁圧が低下しており交換時期と判断。新品に交換するとともに、Wako’sクーラントブースターを注入し、冷却システムのコンディションを回復させました。
③ スロットルボディ洗浄・エンジン内部カーボン洗浄
スロットルボディにカーボンが堆積しており、エンジンの吹き上がりや燃費に悪影響が出ていました。WAKOSスロットルバルブクリーナー・PETRAフューエルシステムクリーナー・Wakosフューエル1を使用し、スロットルボディおよびエンジン内部のカーボンを洗浄しました。
スロットルボディを清掃した後は、必ず「全閉位置学習」と「エンジンコンピューターの空燃比値再学習」を実施することが重要です。この再学習を省略すると、アイドリング不安定や吹き上がり不良が発生するケースがあります。秀勇自動車では整備書の手順に従い、再学習まで確実に実施しています。
④ 前輪ブレーキパッド交換・ブレーキローター研磨
前輪のブレーキパッドの摩耗と、ディスクローターの偏摩耗・錆を確認。パッドを新品に交換するとともに、ローターを研磨で仕上げました。
⑤ タイヤ付替・空気圧調整
タイヤの付替えおよび空気圧調整を実施しました。
⑥ フロントロアアームブッシュ点検・給油
前輪ロアアームブッシュにひび割れを確認しましたが、至急交換が必要な状態ではないため、給油にて経過観察としました。約1年後が交換時期と見込まれることをお客様にご説明しています。
⑦ エアコン関連整備(エバポレーター洗浄・フィルター交換・エアコンガスオイル補充)
エアコンフィルターはかなり汚れており、臭いも発生していました。クリーンフィルターを新品に交換するとともに、Wako’sエバポクリーナーによる熱交換器(エバポレーター)の洗浄・除菌を実施しました。
また、昨今の猛暑によりエアコンシステムへの負荷が高まっていることを踏まえ、PAC-L Wako’sパワーエアコンリキッドによるエアコンガスオイルの補充もお勧めし、施工しました。
エバポレーター洗浄の詳しい施工方法はこちら:https://www.shu-you.com/campaign/6319/
エアコンオイル添加剤補充の詳しい施工方法はこちら:https://www.shu-you.com/campaign/6353/
⑧ その他付帯作業
ウィンドーウォッシャー液の補充、前後ブレーキの分解清掃、ブレーキフルード(DOT4)の補充・点検、各種サービスリマインダーリセットを実施しました。
作業結果
全ての整備が完了後、再度OBD診断を実施。故障コードが完全に消去され、歩行者エアバッグ警告灯の消灯を確認しました。その他の整備も含め、車検適合基準を満たすことを確認し、無事に車検を完了しました。
- ✅ 歩行者エアバッグ警告灯:消灯確認(OBD再点検でエラーなし)
- ✅ スロットルボディ洗浄後の再学習完了・エンジン吹き上がり改善確認
- ✅ 前輪ブレーキパッド交換・ローター研磨完了
- ✅ エアコンフィルター交換・エバポレーター洗浄完了
- ✅ 車検合格
費用明細
| 作業内容・使用部品名 | 数量 | 単価(円) | 金額(円) |
|---|---|---|---|
| 【車検(A)セット】 | |||
| 車検整備基本工賃(24ヶ月点検) | - | - | 29,000 |
| 検査機器による点検・調整 | - | - | 5,000 |
| 【①歩行者エアバッグ系点検・修理】 | |||
| OBD点検(スキャンツールによるDTC読み取り) | - | - | 2,000 |
| フロントバンパー脱着工賃 | - | - | 6,300 |
| クリップ、バンパ 909140007 | 6 | 150 | 900 |
| クリップ、2ピース D 909140062 | 2 | 110 | 220 |
| スクリュ リベット 909310002 | 3 | 120 | 360 |
| センサー及び配線系統点検一式 | - | - | 4,500 |
| 歩行者エアバッグ圧力センサー及びブラケット一式交換工賃 | - | - | 2,700 |
| センサ、ペデストリアン エアバック 98351FL010 | 1 | 15,400 | 15,400 |
| エネルギ アブソーバ、フロント バンパ 57705FL030 | 1 | 4,740 | 4,740 |
| フランジ ボルト、パイロット 010106200 | 4 | 50 | 200 |
| ブラケット、センサ エアバッグ ライト 57707FL080 | 1 | 1,710 | 1,710 |
| ブラケット、センサ エアバッグ レフト 57707FL090 | 1 | 1,710 | 1,710 |
| スペーサ、センサ 57772FL000 | 1 | 2,690 | 2,690 |
| ボルト、バンパ 57719PA040 | 6 | 120 | 720 |
| 【②ラジエーターキャップ・冷却水】 | |||
| ラジエーターキャップ取替 | - | - | - |
| ラジエーター・キャップ 45137AE003 | 1 | 1,460 | 1,460 |
| Wako’sクーラント・ブースター(冷却水復活剤) | 1 | 2,160 | 2,160 |
| 【③スロットルボディ洗浄・エンジン内部カーボン洗浄】 | |||
| エンジン内部カーボン洗浄・学習値リセット及び再学習施工工賃 | - | - | 2,700 |
| WAKOS スロットルバルブクリーナー | 1 | 2,900 | 2,900 |
| PETRA フューエルシステムクリーナー | 1 | 6,000 | 6,000 |
| Wakos フューエル1 | 1 | 2,160 | 2,160 |
| 【④ウィンドーウォッシャー液補充】 | |||
| ウィンドウォッシャー液 | 1 | 100 | 100 |
| 【⑤前後ブレーキ分解清掃・パッド交換・ローター研磨】 | |||
| 前後ブレーキ分解及び清掃 | - | - | - |
| パーツクリーナー | 1 | 1,800 | 1,800 |
| ブレーキフルード(DOT4) | 1 | 1,800 | 1,800 |
| フロント・ディスクパッドキット(取替工賃含む) | 1 | 10,800 | 10,800 |
| フロント・ディスクローター研磨工賃 | - | - | 8,000 |
| 【⑥タイヤ付替及び空気圧調整】 | |||
| タイヤ付替及び空気圧調整(普通車) 工賃サービス | - | - | サービス |
| ホイールナット(夏冬共用) | 1 | - | 持ち込み |
| 【⑦エアコン関連整備】 | |||
| エバポレーター洗浄作業工賃 | - | - | 4,500 |
| Wako’sエバポクリーナー | 1 | 5,500 | 5,500 |
| エアコンフィルター取替(上記工賃含む) | - | - | 上記含む |
| クリーンフィルター 28-007K | 1 | 3,800 | 3,800 |
| 【⑧エアコンガスオイル補充】 | |||
| エアコンガスオイル補充工賃 | - | - | 1,800 |
| PAC-L Wako’sパワーエアコンリキッド 2.5mℓ分 | 1 | 4,200 | 4,200 |
| 工賃 特別値引 | - | - | −3,330 |
| 技術料合計 | 63,170 | ||
| 部品合計 | 71,330 | ||
| 整備料合計 | 134,500 | ||
| 諸費用合計(自賠責保険・重量税・印紙代・代行料) | 52,732 | ||
| 消費税(10%) | 14,268 | ||
| 御請求額(総額) | ¥201,500 | ||
まとめ
今回は、スバル インプレッサの車検整備において、歩行者エアバッグ警告灯の点灯という重要な不具合を含む複数の整備を実施しました。
警告灯の原因は、フロントバンパーへの過去の接触による歩行者エアバッグ圧力センサーの破損でした。センサー本体の不良をOBD診断と左右入れ替え点検により論理的に特定し、センサー・ブラケット・エネルギーアブソーバーを一式交換することで警告灯が消灯し、車検に適合する状態に回復しました。
また、スロットルボディのカーボン堆積・ブレーキパッドの摩耗・ローターの偏摩耗・エアコンフィルターの汚れなど、走行76,000km超の車両に見られる経年劣化箇所を網羅的に点検・整備しました。オーナー様に全内容をご説明し、ご了承いただいたうえで全て施工させていただきました。
・前輪ロアアームブッシュにひび割れが確認されています。現時点では経過観察で問題ありませんが、約1年後(次回点検時)には交換をご検討ください。
・エアコンシステムは猛暑期に大きな負荷がかかります。定期的なフィルター交換・エバポレーター洗浄で快適な車内環境を維持しましょう。
・ブレーキパッドはパッド単体の摩耗だけでなく、ローターの状態もあわせて確認することで、より安全で長持ちするブレーキ性能を維持できます。
東京都日野市・八王子市周辺で車検・自動車整備をお考えの方は、ぜひ秀勇自動車にご相談ください。OBD診断から電気系・足回り・エアコン系まで幅広く対応しております。
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