デフオイル漏れと12ヶ月点検で見えた3つの不具合

・車種:スバル レガシィ
・型式:CBA-BP5
・初度登録:平成19年12月
・走行距離:116,644km
症状・ご相談内容
今回は、スバル レガシィ(CBA-BP5・走行116,644km)にお乗りのお客様より、複数の不具合についてご相談をいただきました。日野市近郊にお住まいの方で、日常的にお使いの車両に気になる症状が重なっていたため、法定12ヶ月点検と併せて総合的に点検・整備させていただきました。
ご相談いただいた主な症状は以下のとおりです。
- オーディオの右前・右後ろから音が出ない
- 前側のウィンドウォッシャーが出ない
- 前輪左側デフサイドシール部からオイルが漏れている(以前に漏れ止め剤を注入済み)
- オートマのミッションマウントに亀裂がある
- エアコンからカビっぽい臭いがする
原因・点検結果
各症状について点検を行い、以下の原因が判明しました。
①オーディオ(右前)音が出ない
スピーカー裏側の配線が断線していました。配線修理で対応可能な状態でした。
②オーディオ(右後)音が出ない
スピーカーのカプラー接続部分が錆び、接触不良を起こしていました。純正部品はすでに製造終了しているため、リヤスピーカーは左右とも社外品(パイオニア製)への交換が必要な状態でした。お客様とご相談の結果、後日対応となりました。
③ウィンドウォッシャーが出ない
フェンダーライナーを脱着して点検したところ、フェンダー内側からボンネット側に続くホースが千切れており、ボンネット裏側のホースも熱と経年劣化でぐにゃぐにゃにヘタっていました。ウォッシャーホース一式の交換が必要な状態でした。
④デフサイドシールからのオイル漏れ
前輪左側のミッション・ドライブシャフト差し込み部(デフサイドシール)からオイルが漏れていました。令和5年9月に漏れ止め剤を注入していましたが、漏れ止め剤では対応できない状態まで進行しており、オイルシールの交換が必要と判断しました。
⑤オートマ・ミッションマウントの亀裂
オートマトランスミッション・マウントラバーに亀裂が確認されました。マウント交換が必要な状態でした。
⑥エアコンのカビ臭
エアコンフィルターが汚れており、エバポレーターにもカビが発生している状態でした。フィルター交換とエバポレーター洗浄が必要でした。
デフサイドシール(デファレンシャルサイドフランジ・オイルシール)は、ミッションからドライブシャフトが差し込まれる部分のオイルシールです。ここからオイルが漏れると、ミッションオイルが減少し、ギヤやベアリングの焼き付きにつながります。漏れ止め剤による応急処置は一時的な効果に留まるケースも多く、根本的な修理にはオイルシール交換が必要です。
作業工程・技術的なポイント
今回の作業は法定12ヶ月点検と同時に行いました。以下に各作業の工程と技術的なポイントをご説明します。
【法定12ヶ月点検】
下廻り各部・ブレーキ関係・ケーブル関係・灯火保安装置・動力伝達装置・エンジン及び電気機器・ステアリング装置・排気ガス測定など、法令に基づく全項目を点検・調整・給油しました。OBDスキャンツールによるDTC読み取りでは異常なし。バッテリーテストでは充電状態92%、寿命テスト100%で良好でした。ブレーキ残量は前輪9.5mm・後輪8.0mm、タイヤ残量は前輪6.4mm・後輪4.2mmを確認しました。また、エンジン内部カーボン洗浄(Wakos フューエル1使用)、前後ブレーキ分解清掃、タイヤ空気圧調整およびローテーションも実施しました。
【ウィンドウォッシャーホース交換】
フェンダーライナーを脱着し、タイヤハウス内部からボンネット側にかけてのウォッシャーホースを全て確認。千切れていたホースおよびヘタっていたホースを純正部品(ホースアセンブリ・各ウィンドシールドウォッシャーホース)で一式交換しました。ボンネットインシュレーターも脱着し、ボンネット側のホースも全て新品に交換しています。クリップ類(フードインシュレータークリップ)も同時に交換しました。

▲ 画像1:ウィンドウォッシャーホース交換後の状態(タイヤハウス内部)。交換前の状態を取り忘れた為、交換後の状態です。こちらはタイヤハウス内を通っている部分。

▲ 画像2:タイヤハウスからボンネット内に入り込む部分。この部分が切れていました。

▲ 画像3:ボンネットに取り付けられている部分。こちらのホースも全て交換しました。
【フロント・デファレンシャル・サイドフランジ・オイルシール交換】
デファレンシャルギヤからリテーナーを外し、オイルシール・Oリングを交換します。オイルシールを外すとミッションオイルが抜けてしまうため、Wako’s RG・Another RG5120LSD 80W-120にてフロントデフオイルを同時交換しました。リヤデファレンシャルもオイル交換時期であったため、こちらも同じオイルで同時交換しています。

▲ 画像6:デファレンシャルギヤからリテーナーを外し、オイルシール類を交換します。

▲ 画像7:外したリテーナーを戻し、オイル充填後の状態。走行し、オイル漏れがない事を確認しました。
【トランスミッション・マウント交換】
亀裂の入ったオートマトランスミッション・マウントラバーを交換しました。インタークーラーを脱着し、ピッチングストッパーも同時に取り替えました。またマウント交換に伴い、エキゾースト・フロント・パイプ・ガスケットも同時に新品に交換しています。

▲ 画像4:ミッションマウント交換前の状態。ゴムに一部千切れていました。

▲ 画像5:ミッションマウント交換後の状態。
【エアコン関連整備】
エアコンフィルター(クリーンフィルター 21-003K)を交換し、Wako’sエバポクリーナーを使用してエバポレーター洗浄を実施しました。コンプレッサー保護のため、PAC-L Wako’s パワーエアコンリキッド(2.5ml)によるエアコンオイル補充も行っています。
エバポレーターはエアコンの冷却を担うパーツで、湿気や埃が溜まりやすくカビが発生しやすい箇所です。カビ臭の原因のほとんどはエバポレーターへのカビ・雑菌の繁殖です。フィルター交換だけでは根本的な解決にならないことも多く、エバポレーター洗浄を合わせて行うことで臭いの元から除去できます。詳しくはこちらのエバポレーター洗浄ページをご覧ください。
また、エアコンオイルの補充はコンプレッサーの保護にもつながります。詳しくはこちらのエアコンオイル補充ページもご参照ください。
【スピーカー配線修理(前側)】
右前スピーカー裏側の断線していた配線を修理しました。ショートパーツも使用して確実に接続を復元しています。
作業結果
全ての作業が完了し、出庫前に動作確認・走行確認を行いました。
- ✅ ウィンドウォッシャー:前側ウォッシャーホース一式交換により正常噴射を確認。保安基準に適合した状態に復元しました。
- ✅ デフオイルシール・オイル漏れ:オイルシール・Oリング交換後、走行テストを実施しオイル漏れのないことを確認しました。
- ✅ ミッションマウント:新品への交換により、亀裂による振動・異音の原因を解消しました。
- ✅ エアコン:エバポレーター洗浄・フィルター交換・オイル補充を実施し、カビ臭が解消されたことを確認しました。
- ✅ 右前スピーカー:断線修理により音が出るようになったことを確認しました。
- 📌 右後スピーカー:純正品製造終了のため、後日パイオニア製社外スピーカー(TS-F1650)に左右同時交換予定。
費用明細
| 作業内容・部品名 | 数量 | 単価(円) | 金額(円) |
|---|---|---|---|
| 【法定12ヶ月点検】 | |||
| 12ヶ月定期点検 整備 | - | 14,000 | 14,000 |
| OBD点検実施(スキャンツールによるDTC読み取り) | - | 2,000 | 2,000 |
| エンジン内部カーボン洗浄 Wakos フューエル1 | 1.00 | 2,160 | 2,160 |
| 前後ブレーキ分解及び清掃 パーツクリーナー | 1.00 | 1,800 | 1,800 |
| wynn’s ストップスクイーク | 1.00 | 500 | 500 |
| 【エアコン関連】 | |||
| エアコンガスオイル補充 | - | 1,800 | 1,800 |
| PAC-L Wako’s パワーエアコンリキッド 2.5ml | 1.00 | 4,200 | 4,200 |
| エバポレーター洗浄作業 | - | 4,500 | 4,500 |
| Wako’s エバポクリーナー | 1.00 | 5,500 | 5,500 |
| エアコンフィルター取替 クリーンフィルター 21-003K | 1.00 | 2,000 | 2,000 |
| 【オーディオ修理】 | |||
| 前側スピーカー裏側配線断線修理 | - | 1,800 | 1,800 |
| ショートパーツ | 1.00 | 800 | 800 |
| 【ウィンドウォッシャーホース交換】 | |||
| フェンダーライナー脱着・点検 | - | 2,700 | 2,700 |
| ボンネット・インシュレーター脱着 | - | 1,800 | 1,800 |
| クリップ フードインシュレーター 90814FC001 | 13.00 | 100 | 1,300 |
| 前側ウォッシャーホース一式交換(技術料) | - | 9,000 | 9,000 |
| ホースアセンブリ ウォッシャーアッパー 86655AG051 | 1.00 | 3,580 | 3,580 |
| ホース ウィンドシールドウォッシャー 86655AG210 | 1.00 | 450 | 450 |
| ホース ウィンドシールドウォッシャー 86655AG220 | 1.00 | 320 | 320 |
| ホース ウィンドシールドウォッシャー 86655AJ110 | 1.00 | 740 | 740 |
| ホース ウィンドシールドウォッシャー 86655AG400 | 2.00 | 590 | 1,180 |
| ホース ウィンドシールドウォッシャー 86655AG470 | 1.00 | 340 | 340 |
| 【フロント・デフ・サイドシール交換・オイル交換】 | |||
| フロント・デファレンシャル・サイドフランジ・オイルシール取替(技術料) | - | 13,500 | 13,500 |
| オイルシール S4896 | 1.00 | 500 | 500 |
| シール Oリング 806984040 | 1.00 | 340 | 340 |
| Wako’s RG・Another RG5120LSD 80W-120(フロントデフオイル) | 1.40 | 2,640 | 3,696 |
| ドレーンコック・ガスケット 803926090 | 1.00 | 190 | 190 |
| パーツクリーナー | 1.00 | 1,800 | 1,800 |
| 【リヤ・デファレンシャル・オイル交換】 | |||
| ドレーンコック・ガスケット 803918060 | 1.00 | 320 | 320 |
| Wako’s RG・ANOTHER RG5120LSD 80W-120(リヤデフオイル) | 0.80 | 2,640 | 2,112 |
| ガスケット フィラープラグ 803918060 | 1.00 | 320 | 320 |
| 【トランスミッション・マウント交換】 | |||
| トランスミッション・マウント取替(技術料) | - | 13,500 | 13,500 |
| クッションラバー ストッパー 41022FA050 | 1.00 | 490 | 490 |
| クッションラバー トランスミッション 41022AG100 | 1.00 | 10,600 | 10,600 |
| エキゾースト・フロント・パイプ・ガスケット取替(上記含む) | - | - | - |
| フランジナット 902370029 | 2.00 | 80 | 160 |
| ガスケット エキゾーストパイプリヤ 44011AG001 | 1.00 | 1,070 | 1,070 |
| ガスケット エキゾーストパイプリヤ 44022AA123 | 1.00 | 1,400 | 1,400 |
| フランジボルト エキゾーストパイプ 44059AA010 | 2.00 | 230 | 460 |
| スプリング エキゾーストパイプ 44044AA010 | 2.00 | 230 | 460 |
| ナット 802008270 | 2.00 | 150 | 300 |
| インタークーラー脱着 | - | 2,700 | 2,700 |
| ピッチングストッパー取替 | - | 1,800 | 1,800 |
| ロッドアセンブリ ピッチングストッパー 41040FE000 | 1.00 | 3,600 | 3,600 |
| 法定点検・早期ご予約割引(2か月) | - | - | ▲909 |
| 【後日作業予定:左右リヤスピーカー交換】 | |||
| 左右リヤスピーカー交換・スピーカー パイオニア製 TS-F1650 他 | 後日 R7.11 実施予定 | ||
| 技術料合計 | 68,191円 | ||
| 部品合計 | 52,688円 | ||
| 整備料合計(税抜) | 120,879円 | ||
| 消費税(10%) | 12,088円 | ||
| 御請求額(税込) | ¥132,967 | ||
まとめ
今回は法定12ヶ月点検と合わせて、スバル レガシィ(CBA-BP5)の複数の不具合を一度に解消させていただきました。走行距離116,644kmという年式相応のご使用状況の中で、いくつかの重要な整備箇所が重なっておりましたが、全ての問題を丁寧に点検・修理・交換対応いたしました。
特にウィンドウォッシャーが出ない状態は保安基準不適合となる重要な整備項目です。また、デフサイドシールからのオイル漏れは以前の漏れ止め剤処置では対応が困難な状態まで進行していたため、オイルシール交換による根本的な修理を実施できてよかったと思います。
ミッションマウントの亀裂放置は、走行中の振動増大・異音・最悪の場合はエンジンマウントへの負荷増大にもつながりますので、早期の対応が大切です。今回の整備で、車両の安全性・快適性が大きく改善されました。
秀勇自動車では、東京都日野市を中心に、丁寧な点検・整備を心がけております。「何か気になる症状がある」「車検が近い」という方は、お気軽にご相談ください。
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