CVTフルードを2回交換で徹底洗浄!ステップワゴンの3つのトラブルを同時解決

・車種:ホンダ ステップワゴン
・型式:DBA-RP4
・初度登録:令和1年9月
・走行距離:43,092km
症状・ご相談内容
今回は法定12ヶ月点検でホンダ ステップワゴン(DBA-RP4)をお預かりしました。点検作業の中で、お客様より「エアコンをつけると嫌な臭いがする」とのご相談をいただきました。
臭いの種類としては有機溶剤のような刺激臭で、エアコン稼働時に車内に広がる状態でした。走行距離43,092kmと比較的少なめの車両ですが、エアコン系統・エンジンオイル・バッテリー・CVTフルードなど複数の項目で点検・整備が必要な状況が確認されました。また、ボディーのポリマーコーティングもあわせてご依頼いただきました。
エアコンをつけると有機溶剤のような臭い・カビ臭・酸っぱい臭いがする場合、エアコンフィルターだけでなくエバポレーター(熱交換器)が汚染されている可能性があります。フィルター交換だけでは改善しないケースも多く、専門的な洗浄が必要です。
原因・点検結果
点検の結果、以下の複数の問題が確認されました。
【エアコン臭い】
エアコンフィルター自体にも臭いがありましたが、フィルターを外した状態でも同様の臭いが残ることを確認。臭いの主な発生源はエバポレーターであると判断しました。エバポレーターはエアコンの冷却を担う熱交換器で、結露水が溜まりやすく、雑菌・カビ・有機物の付着による臭いが発生しやすい部位です。
【エンジンオイル・バッテリー】
エンジンオイルとオイルフィルターの汚れを確認。バッテリーのテスト結果は充電状態96%・寿命テスト90%でしたが、基準値500CCAに対して測定値483CCA、エンジン始動能力テスト79%(8.56V)と性能低下が見られ、交換時期と判断しました。
【CVTフルード】
走行距離および使用年数から、CVTフルードが交換時期に達していると判断。ドレーンプラグのマグネットに鉄粉の付着が多数確認され、内部の摩耗が進行していることが裏付けられました。
【エアコンシステム】
エアコンシステム全体の保護・性能維持の観点から、Wako’sパワーエアコンリキッドの補充もご提案しました。

作業工程・技術的なポイント
今回の整備は多岐にわたるため、各作業の工程と技術的なポイントを詳しくご説明します。
① OBD点検
スキャンツールによるDTC(故障コード)読み取りを実施。異常なしを確認しました。
② エンジンオイル交換(フラッシング込み)
PETRAオイルシステムクリーナーによるフラッシングを実施後、samsureスーパーローフリクション SN 0W-20(3.5L)に交換。オイルエレメント(H1540-RTA-003)も同時交換し、PETRA Engine Shieldを添加しました。
③ エンジン内部カーボン洗浄
Wako’s フューエル1を使用し、燃料系統・エンジン内部のカーボン堆積物を洗浄しました。
④ バッテリー交換
GSユアサ ER 75B24L/N-75に交換しました。
⑤ 前後ブレーキ分解清掃・タイヤ空気圧調整
ブレーキ残量は前輪5.4mm・後輪4.8mm。パーツクリーナーによる分解清掃後、タイヤ空気圧を調整しました。タイヤ残量は前輪5.3mm・後輪5.4mmを確認。
⑥ CVTフルード交換(手動方式・2回施工)
🔧 技術解説:CVTFの圧送交換ができない理由と手動交換の手順
このステップワゴン(RP4)はオイルクーラーがCVTに直付けされている構造のため、トルコン太郎などによる圧送交換は実施できません。そのため、以下の手順で手動交換を行います。
1. フラッシング剤(PETRA TRANSMISSION SYSTEM CLEANER)を注入し、CVT内部を洗浄
2. ドレーンボルトを外してCVTFを排出
3. フィラープラグから新油(WAKOS CVTFプレミアムスペック)を注入
4. 1回だけでは汚れが取り切れないため、同じ工程を2回実施
5. 2回目にはPETRA UNIVERSAL SYNTHETIC CVT CONDITIONERを添加
6. 施工後、スキャンツールでCVT油温をメーカー指定温度まで管理しながら暖機し、オイル量を最終調整して完了
今回使用したWAKOS CVTFプレミアムスペックは8.60L使用。圧送交換ができない車両でも、2回の手動交換と洗浄により高い効果が得られます。




⑦ エアコンガスオイル補充(パワーエアコンリキッド)
Wako’s PAC-L パワーエアコンリキッドを2本(2.5mL×2)補充。エアコンコンプレッサーの保護・冷却効率の維持を目的とした添加剤で、エアコンシステム全体のコンディションを高めます。
▶ パワーエアコンリキッドについて詳しくはこちら
⑧ エアコンエバポレーター洗浄・エアコンフィルター交換
🔧 技術解説:エバポレーター洗浄について
エバポレーターは車内の空気を冷やすための熱交換器で、常に結露水が発生する環境にあります。そのため雑菌・カビ・有機物が繁殖しやすく、特有の臭いの原因となります。フィルターを外しても臭いが残る場合は、エバポレーター本体が汚染されているサインです。
今回はWako’sエバポクリーナーを使用してエバポレーターを直接洗浄。フォーム状の洗浄剤を噴霧し、内部の汚れ・菌を除去します。

活性炭入りの脱臭タイプフィルターは消臭効果が高い反面、劣化が進むと逆に臭いの原因になる場合があります。定期的な交換(1〜2年または10,000〜15,000km目安)をお勧めします。
⑨ ボディーきらり☆ロイヤルコース(LLサイズ)
ポリマーコーティングの施工もご依頼いただきました。タイヤホイール洗浄・ボディ手洗い洗浄・鉄粉および塗装ミスト除去・3段階ポリッシング(磨き)・ボディーコート・未塗装部品艶出し・タイヤ艶出し・内窓拭き上げまで、フルコースで仕上げました。
作業結果
全ての整備・施工が完了し、お客様にご確認いただいた結果、以下の改善が確認されました。
エアコンの臭い:エバポレーター洗浄とフィルター交換により、有機溶剤のような臭いは完全に解消されました。
CVTフルード:2回の洗浄・交換により、フルードの汚れが大幅に改善。スキャンツールによる油温管理のもとでオイル量を最終調整し、正常な状態で納車しました。
バッテリー:新品GSユアサバッテリーへの交換により、始動性能が回復しました。
エンジン:オイル交換・フラッシング・カーボン洗浄・Engine Shield添加により、エンジン内部のコンディションが向上しました。
ボディー:3段階ポリッシングとボディーコートにより、外装の輝きが蘇りました。
費用明細
| 作業内容・使用部品名 | 数量 | 単価(円) | 金額(円) |
|---|---|---|---|
| 【法定12ヶ月点検】 | |||
| 12ヶ月定期点検整備(下廻り・ブレーキ・ケーブル・灯火・動力伝達・エンジン・電気機器・ステアリング・排気ガス・各種サービスリマインダーリセット一式) | ― | ― | 14,000 |
| 【①OBD点検】 | |||
| OBD点検実施(スキャンツールによるDTC読み取り)→異常なし | ― | ― | 2,000 |
| 【②エンジンオイル交換(フラッシング込み)】 | |||
| PETRA オイルシステムクリーナー | 1.00 | 2,500 | 2,500 |
| samsure スーパーローフリクション SN 0W-20 | 3.50 | ― | 部品サービス |
| オイルパン・ドレーン・ガスケット PD-0601ホンダ用 | 1.00 | 100 | 100 |
| オイル・エレメント H1540-RTA-003 小型車用 | 1.00 | 1,400 | 1,400 |
| PETRA Engine Shield | 1.00 | 3,800 | 3,800 |
| 用品特別値引き | 1.00 | -500 | -500 |
| 【③エンジン内部カーボン洗浄】 | |||
| Wako’s フューエル1 | 1.00 | 2,160 | 2,160 |
| 【④バッテリー交換】 | |||
| バッテリー GSユアサ ER 75B24L/N-75 | 1.00 | 22,900 | 22,900 |
| 【⑤前後ブレーキ分解及び清掃・タイヤ空気圧調整】 | |||
| パーツクリーナー | 1.00 | 1,800 | 1,800 |
| 【⑥ATF/CVTF交換 手動方式(スキャンツールにて油温管理含む)】 | |||
| CVTF交換 技術料 | ― | ― | 7,200 |
| WAKOS CVTFプレミアムスペック(定価¥3,720) | 8.60 | 3,400 | 29,240 |
| PETRA TRANSMISSION SYSTEM CLEANER | 1.00 | 2,500 | 2,500 |
| PETRA UNIVERSAL SYNTHETIC CVT CONDITIONER | 1.00 | 3,500 | 3,500 |
| ガスケット・チェックボルト 90471-59C-000 | 1.00 | 140 | 140 |
| オイルパン・ドレーン・ガスケット 90471-PX4-000 | 1.00 | 170 | 170 |
| 【⑦エアコンガスオイル補充】 | |||
| エアコンガスオイル補充 技術料 | ― | ― | 1,800 |
| PAC-L Wako’s パワーエアコンリキッド 2.5mL分 | 2.00 | 4,200 | 8,400 |
| 【⑧エアコンが臭う(有機溶剤の様な臭い)点検・エバポレーター洗浄・フィルター交換】 | |||
| エバポレーター洗浄作業 技術料 | ― | ― | 4,500 |
| Wako’s エバポクリーナー | 1.00 | 5,500 | 5,500 |
| クリーンフィルター(エアコンフィルター取替 上記工賃含む) | 1.00 | 1,980 | 1,980 |
| 【⑨ボディーきらり☆ロイヤルコース LLサイズ】清掃 48,000円 | |||
| タイヤホイール洗浄・ボディ手洗い洗浄・鉄粉&塗装ミスト除去・3段階ポリッシング(磨き)・ボディーコート・未塗装部品艶出し・タイヤ艶出し・内窓拭き上げ | ― | ― | 48,000 |
| 工賃 特別値引 | ― | ― | -7,754 |
| 技術料合計 | 69,746 | ||
| 部品合計 | 85,590 | ||
| 整備料合計 | 155,336 | ||
| 消費税(10%) | 15,534 | ||
| 御請求額 | ¥170,870 | ||
まとめ
今回のホンダ ステップワゴン(DBA-RP4)の12ヶ月点検では、エアコンの臭い・CVTフルード劣化・バッテリー性能低下・エンジンオイル汚れという複数の問題を同時に発見・解決することができました。
特にCVTフルードについては、圧送交換ができない車種特有の制約の中で、2回の手動洗浄・交換と油温管理による丁寧な施工を実施。ドレーンプラグのマグネットに多量の鉄粉が付着していたことからも、今回のタイミングでの交換は非常に適切でした。CVTは修理・交換になると高額になるため、定期的なフルード交換による予防整備が重要です。
エアコンの臭いについても、フィルター交換だけでなくエバポレーターそのものをWako’sエバポクリーナーで洗浄したことで、根本的な改善を実現しました。エアコンの臭いにお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
秀勇自動車では、東京都日野市・八王子市・多摩地区を中心に、法定点検・エンジンオイル交換・CVTフルード交換・エアコン洗浄・バッテリー交換・ポリマーコーティングなど、幅広い整備・メンテナンスに対応しております。お気軽にご相談ください。
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